コーヒーにオレンジの組み合わせと言えばあれだ、
「悲しみよこんにちは」。
当時は書店の文庫本コーナーにずらっと並んでたよ、サガン@朝吹登美子訳(新潮文庫)。あのルージュの背表紙がいまでも思い出される。
その後30代になるまでコーヒーはブラックでしたが、いやー、十代の思い込みって引きずりますね。
小説のなかのセシルは父親の恋人に、パンにバターをつけてたべなさい、そんなんじゃ太れないわよ的なセクハラ発言をされるわけだが、
(ひとの体つきについてあれこれいうのはセクハラだ。男女問わず)
そのバターがうちにはないんじゃ!
と思いながらじいさんが単車で颯爽と買ってくる、
食パンの全面耳のトーストにマーガリンのトーストを齧っていました。
食パンの全面耳、食パン1つにつき、両サイド1枚ずつしかとれないものですが、
3斤用の長いビニール袋にびっしりつまったやつを地元の黄金パン(こがねぱん)から週一で買ってきてたんですよ。
当時70歳くらいのじいさんが。
しかし、あれから32、3年たったいま、
(なにげなく何年前だっけと思って、32年前とかいう数字になることに一瞬暗澹とする、と、きのう読み返した金井美恵子のエッセイにもあったなあ。
高校時代がすでにして32、3年前。
うわーーーーーーー)
自分で焼いたブールをオレンジと自分で挽いたコーヒーをドリップ式で淹れている、
という、
そんなことにわりと毎回感動している。
ブールはもう少し焼きを長くしてクラストをバリバリ言わせればよかったかもしれないけど、
すこし白っぽいクラムに粒コショウのピンクが映えて、
オシャレ。
な気がしないでもない。
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