ぼちぼち図書館に返却に行かないとなあと思っていたのですが、
なにかとバタバタしてしまっています。
父の退院はお昼前後を聞いているので、その前に何とか行けるかな?
晶文社の犀マーク、見ただけでほっとする。ハズレがないもんね

この本、おもしろかったですよー。
前書きの「いただきまーす」で作者は、
…食べ物は生きていくために不可欠なものであり、わたしたちの文化全体の土台となっているからである。
食べ物は、わたしたちの法律に、お金に、迷信に、祭りのなかに存在しているし、
とりわけ、わたしたちの言葉のなかにある。
と述べ、
この本は食べ物の言葉の不思議な由来をリストアップした本であり、
おかしな響きの食べ物の言葉の謎をたどるメニューであり、
そして、物事をじっくり噛みしめたいむきには、味わい深き雑学ー「食べ物・考えるヒント」をスパイスとして添えた本である。
とまさしく味わい深い本書の紹介をしています。
どの章も驚きと楽しさに溢れているのですが、
マザー・グースの中でも有名な
6ペンスの歌を歌おう
24羽のクロツグミ パイに焼かれて
パイを開けたら歌い出す
王様にさしあげるすてきなごちそう?
という箇所があるのですが、
中世のヨーロッパでは祝宴に奇抜な趣向が用意され、
巨大なパイの中から生きているウサギや鳥、カエルがとびだしてきたり、
パイの中から道化師が出てきてお客様を楽しませることもあったそうです。
24羽のクロツグミは黒服に身を包んだフランスのミュージシャンたちで
1454年、バーガンディ公爵のために催された宴での意匠で、パイを切り開くと中で音楽家達が演奏していたという資料があるそうです!
ナスを英語でエッグプラントと言いますが、
それは白っぽい小さなナスからついた名前で、紫色のナスもそのままエッグプラントと呼ばれるようになったとか、
パイはなんでも巣の取り込んでつくられたカササギ(マグパイ)からつけられたとか、
(パイはどんな食べ物も無駄にしたくない主婦が残り物を練り粉の皮にまとめた料理だった)
思わずビアトリクス・ポターの「ピーター・ラビット」のなかの「パイがふたつあったお話」を連想しましたね。
ダッチェスという黒い巻き毛が優美な犬と、彼女をお茶に招いた猫のお話なのですが、
最後にカササギがパイ皿にたかって啄むシーンがあるんですよ。
また、
比喩になった食べ物の名前 の章では、
「ベーコンを家に持って帰る」という言葉が、
家計を支えるお金を稼ぐ
意味だと説明されています。
結婚生活の1年と1日の間はケンカせず、離婚しないカップルには半身分のベーコンを与えるというおふれを出した貴族がいたんですが、
1111年から528年のあいだ、そんなカップルは8組までいませんでした、というもの。
もうひとつの説はグリースを塗った豚を捕まえるゲームに由来するものですが、
見事捕まえられたら豚を持って帰れたそうです。
あら?
ハッチンスの「ベーコンわすれちゃだめよ!」ってこれからかなあ。
お使いを頼まれた男の子のお話なんですが。
ほかにも初めて知るエピソードばかりで、つい誰かに話したくなる本です。
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