やあ!
きょうはみんなにF1くんについて紹介するよ!
F1くんは従来の種子、
農家の方が自家採取して特性を固定している
固定種くん、
それぞれの地域で昔から栽培されてきた品種の
在来種さん、
とはちがうんだ。
現在流通されている種子はほとんどF1くんなんだよ!
F1くんのお父さんとお母さんは、
純系といって、それぞれが期待される特長をもつ種子なんだ。
お父さんは実がたくさんとれる純一さん
お母さんは一粒一粒の実が大きい純子さん。
このふたりから生まれたのが、
大きな実がたくさんつく、F1くんなんだ!
すごいでしょう。両方のいいとこどりだよね。
でもF1くん、「一代交配」ともいって、この性質を次世代に
まったくそっくりには受け継がせることができないんだ。
次の年になると、F1くんから採取した子どもたちには、
F1くんだけじゃなくて、f1くん、FAちゃん、純1くん、F子ちゃんなど、
あれ~?となっちゃうんだ。
だからF1くんの種がいいなーと思ったら、毎年購入するしかないんだよ。
また、F1くんはじつは帰国子女でもあるんだ。
品種の自然交配を防ぐためにひろーい土地が必要なんだよ。
また、多くの肥料と農薬が必要。
あれ?
なんだかH18年に施行された「有機農業推進法」に逆行してない?
F1くんにはいいところもいっぱいあるんだ。
・発芽時期が同じ。バラバラに発芽されると、その後の管理が大変すぎるよね。
・収量が多い。
・形がいい。これは流通にのせるのにけっこう大切だよね。形が悪くても味が良ければ、
っていっても、やっぱり見た目が悪いと遠ざけられる青果物が多いんだ。
・流通に耐えられる。トマトなんか樹上完熟したものはリコピンも旨み成分のグルタミン酸も多いんだけど、流通の段階でつぶれたりしたらアウトだよね。
・特定の病気に強い。
製パンに例えれば、
F1くんは市販の生イーストやドライイーストなんだ。
固定種や在来種は自家製天然酵母。自家製天然酵母はいつもおなじにはできないし、大量生産には向かないけれど、じっくり発酵させるから粉の旨みを十分にひきだせるんだ。
F1くんはハンサムで成績優秀、人柄もいいし、育てやすい出木杉くんみたいな子なんだ。
在来種や固定種は特色ある野菜、つまり個性的な子なんだけど、育てにくいから優等生が
すきなタイプの先生にはきらわれる、みたいな感じかな。
ジャイアンみたいなジャガイモ、
スネ夫みたいなニンジン、
のび太くんみたいなトマト。
あったら育ててみたい。楽しそう。
でも、たぶん保険で出木杉くんタネ袋も買うと思うんですけど(笑)。