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昔は即答で、黒、でした。
自室を黒のペンキで塗り替えて(そのまえは淡い水色だった。もちろん、自分で塗った)、
カーテンも黒にしたい♪と言ったら母親に目ん玉が飛び出るくらいの勢いで叱られた
過去をもつ私です。中二か中三かな。
その後、ベニヤ板の部屋からごくふつうの洋間をもらったので、ペンキ塗りは卒業しました(笑)。
30歳くらいまではいっつも黒ばっかりでした。服も靴とかバッグとかの小物も、
基本黒。だってコーディネートが楽だし。黒だったらおしゃれっぽくみえるでしょ。
という計算もあるわけだが、おしゃれに楽を持ちだすあたりがすでにしておしゃれから
遠いって(笑)。
が、少し前から、えー、すきな色~ありすぎてわかんなーい、
というちょっと頭の悪い答え方しかできません(笑)。
私だって気の利いたことを言ってみたいという欲はあるんだが、
選べないんだもんなあ。
夕空をみあげれば、オレンジ色とラベンダーと藍色とグレーと黄色や
水灰色のまじりあった雲がたなびいていて、それがもの凄くすきで、
部屋の壁がうすいスクリーンになっていて、あの雲を映しだしていたら
一日家にいてもいいなーとさえ思う。
さっき、掃除の途中でつまんだフランスパンにバターを
塗って焼いたものですが、
皿の色も、パイン棚の色も、パンの焦げたところの色も、
バターのしみこんだ黄色いところも、
ひとつひとつの色がすきだと言える。
むしろきらいな色の方が少ないと言えるかも(笑)。
昔は茶色がきらいだったんですが、いまは艶のある焦げ茶や
くすんだ柱の色の茶色なんかむしろすきだし。
年を重ねるにつれて、色のひとつひとつが愛しくなってしまって、
きらいな色がなくなってきた感じです。
また、
色を抽象的に考えるより、なになにのピンク、と考えるようになっています。
たとえば、マリー・ローランサンのピンク、といえばちょっと愁いを含んだピンクを
思うし、ルノワールのピンクといったら、あの薔薇色の頬のふくよかな女性たちが浮かぶ。
シャガールの青とか、カンディンスキーの青とか、海の青。
ピカソの黒、マネの黒、ゴヤの黒。みんな黒の深さが違う気がします。
そういうふうに考えたり、見えたりするので、きらいな色もすきな色もなくて、
答えに窮する。
こないだみた「毎日かあさん」のなかで、小泉今日子さん演じる「サイバラリエコ」(役名)が
カンジとフミの兄妹に、海を眺めながら、沖から二番目の藍色がお母さんのすきな青、と
語りかける場面があります。
海の青も、黒いくらいの濃い青もあれば、緑がかった碧(あお)もあるし、そのひとつひとつの
青をすきだと思う。
というわけで、
考えても考えても、
色はみなすき、としか言えないのよー。
みなさんは何色がすきですか?