2010年8月7日~10月11日 世田谷美術館。
私が行ってきたのはぎりぎりの10月10日でした(笑)。
この日は、「東京国立近代美術館」で「上村松園展」→「世田谷美術館」で「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール展」→「世田谷文学館」で「森鴎外と娘たち展」を観たんでした。
そんなにいっぺんにまわって、印象がごちゃごちゃにならないか、と思うでしょうが、
秋田に住む友達も言ってたんですが、このスケジュールを敢行するために、
わしらは飲まず食わずでもけっこうへっちゃらであります。友達は娘さんが美術を勉強しているんだが、
で、たまには一緒にみよう、ということになっても、ぜんぜんテンポが合わないそうだ。
というわけで私はいつもひとりでみてあるくのさ。
世田谷美術館の壁というか、壁の生地というか、
えーと、テクスチャ。
なんか、
草間弥生みたいだなーと思った。
(もちろん、草間さんの設計ではないのですが)
建築家内井昭蔵の代表作だそうです。
そんでもって、つい最近「美術検定1級・2級
美術実践キーワード」で知ったのですが、
世田谷美術館が、美術館におしゃれなレストランを
開業した初のケースなのだそうです。
えー。
でも知っていてもそんな余裕はナイ(笑)。
美術館(めぐり)とはトライアスロンだ!
今年は印象派イヤー&ゴッホイヤーなのか?ってくらい、
ゴッホを使った美術展のポスターが目についた気がしますが、
気のせいでしょうか。
そんなに熱心に美術展を観て歩いているわけでもないのですが、それでも、
「ボストン美術館展」(「オーヴェールの家々」)、「ゴッホ展(「自画像」)、
そしてこの「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」は「郵便配達人 ジョゼフ・ルーラン」。
といっても、ゴッホの作品はこの黄色い背景が印象的な「郵便配達人」だけだったのですが。
それほど大きな作品ではありません。
ですが、絵のバックに青い布が貼られていて、特別扱いな感じでした。
郵便配達夫は画家の琴線にふれるモチーフなのかなあ。
佐伯祐三とかシャガール(お父さんがポストマンだったのですが)とか、
けっこう取り上げられている気がする。あ、谷内六郎も始終絵に登場させていましたね。
しかし私の目当ては、アンリ・ルソーの
「赤ん坊のお祝い!」
素朴派といわれるアンリ・ルソーの絵が去年あたりから
すきになってきて、
この絵がみたくて来たようなものです。
赤ん坊の顔がよくみると、コワイんですが、
まっ白なベビー服、むっちりした手足(特に太もも)、
むんずと掴んだ操り人形。
なにより、ひたとこちらを見ているまなざし。
「エヴァ・ムリエの肖像」モーリス・ドニ
ナビ派といわれた画家のひとりで、いままでにもいろんな
美術展で出逢ってきたのですが、
いまひとつ分からないというかすきになれなかった。
でもこの絵はすきだ。
ゴーガンなどもそうですが、クロワゾニスム(黒ワニぞ住む、と覚えてしまったので、
いまだに間違う)とよばれる、画面を色面で仕切るはっきしりした
描線の絵が特徴ですが、
この女性の表情の複雑さが気に入ったのでした。
「アルザスまたは読書する修道僧」 オディロン・ルドン
象徴主義の画家・ルドン。
ルドン展というのは観たことがなくて、たいてい
こういう美術展で1、2展みるだけなのですが、
そのせいか、私の中でルドンは作風がつねにゆらめいている
謎の作家だ(笑)。
代表作はといえば、たぶん、一つ目の巨人の絵(「キュクロプス」)
なんだろうけど、
これもルドンかあ、といつも思う。
あ、なんでモローの絵と並んでいることが多いのかなーと
思っていたんですが、「象徴主義」つながりでした。
勉強しているといろいろ分かってくるなあ~って
いまごろか!
ドラクロワといえばあれだ。
「民衆を率いる自由の女神」。そんでもって私はこの絵をみると、
「ベルサイユのばら」を思い出すよどうしても。
さて、この絵はすんごく小さかったです。
が、
ドラクロワを見られてラッキーでした。
「アルジェの女たち」もいつか見たいですけれどねー。
東方趣味の絵と言えば、アングルの「グランド・オダリスク」も
すきなのですが、
アングルとドラクロワって対立者だったのですね。
アカデミー側の新古典主義者の指導者アングル対、
ロマン主義者のドラクロワ。
フランス革命を「ベルサイユのばら」で、日本の古代史を「日出処の天子」で
勉強(?)した私としては、
美術検定用マンガがあったらいいなあと思うなあ。
かわぐちかいじのマンガにイタリア・ルネッサンス期の巨匠たちのマンガがあったんですが、
「週刊モーニング」ってほんとうにアナーキーだなあと思って、よろこんで読んでた。
ミケランジェロもボッチチェリもダヴィンチも出てくるんです。
試験も引っ越しも大食いもなにもかも終わってから
行きたい美術展のひとつ。
ここ世田谷美術館にはってあったポスターです。
ポーラ美術館は2002年開館の企業美術館ですが、
どんな美術館なのか、館じたいが楽しみになって来ている
最近の私なのだった。