「花降る日」 1977年
この絵もすきです。
らせん状の塔をのぼっていく女神のような女性が、
青い布をもっている。
花びらが降りしきり、
金色の光が降り注いでいる…。
「花降る森」 1979年
このふたつの、タイトルは似通っているのに、
まるで違う印象を与える絵は、1階と2階に分かれてあったので、
一度全部見て回った後、
あの絵とこの絵を比べてみた私でした。
図録は一瞬で比べることができて便利だなあ。
でも大きさまでは、伝わらないんだよね図録は。
「花降る森」は、「花降る日」にくらべて、大きな絵でした。
有元利夫の絵にしては、暗い色調で、この絵から連想したのは
ベルギーのシュールリアリスト、ポール・デルヴォーの夜の神殿や街や
夜汽車のあるホームを歩きまわる女性たちの絵でした。
でも決定的に違うのは、有元利夫の絵には、
「ひとり」
しかいないことです。
このことについて、
「なぜひとりなのか。
簡単に言えば、関係が出てくるからです。
関係というのはその「場」とそこに居る人とのものだけでいいんじゃないか。
居る者同士の関係はもういらないという気がします。」
と語っています。
深い言葉だなーと思います。