きのこ 100冊への道 52冊目♪ | 菅原初代オフィシャルブログ「魔女菅原のブログ」

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きのこ 安部譲二 (中央公論社) 1991年



「塀の中の懲りない面々」シリーズで一躍時の人となった

安部譲二が自らの私生活を赤裸々に語った…


わけはないだろうたぶん(笑)。



きのこ、というのは実際にも猫がすきな安部さんの

飼い猫の名前で、安部さんに焼きもちをやく、


雌猫の名前なのですが、


山田詠美をモデルにしたとおぼしき、美人でスタイルがよくて、

官能的な描写がうまくて有名な文学賞を受賞した、


山本多美。いいのかあからさまなモデルにしちゃって、とこちらが

ハラハラする。きっといいんだな。この多美と、


岩下志麻をイメージするのが自然な京極貴子、


モデルは分からないが、女子アナの永田真理子。


国立大学の女子大生のポルノ女優で、言葉遣いの上品な、


といったらやっぱり、黒木香さんでしょうか。たぶん。



なんとなく懐かしいー。時代の空気だねー。




の3人の女たちとのすったもんだがあり、


背は低いが極道のバシタ(女房)を伊達にやってきちゃいない、気風のいいあけみが

ひとり息子をつれて家を出ている最中に、


最愛の母の葬式があったりする。そこは長年連れ添ったあけみがうまくやってくれるんだが、


主人公直介がどうしても安部譲二に重なって、その顔がイメージされてしまうわけです。


ちなみに、三島由紀夫が安部譲二をモデルにして書いた「複雑な彼」(集英社文庫)は、


「単純な直」というタイトルにもじられていました(笑)。



「複雑な彼」で知られた安部譲二の一作目の小説が虚実おりまぜ、モデル多数の小説というのも、

おもしろい趣向だなーと思います。


「複雑な彼」よりも安部さんのこの「きのこ」の方がもっとおもしろいと思いますけどねー。