ドラえもんのまあるい頭の秘密は、未来のデパートで
夜中にネズミに耳を齧られちゃって、
だから猫型ロボットなのにネズミがからっきしダメなんだ、
と、40年前に連載がはじまった「小学1年生」のお正月号あたりに
書いてあった気がします。
私はもろにドラえもん世代なんです。
「小学1年生」で「ドラえもん」の連載がはじまったとき、
リアル小学1年生で、もちろん、定期購読していた学年誌でした。
ドラえもん自身が未来では落ちこぼれだったという話が出てきたのは、
たぶん、テレビでアニメが始まってからだった気がします。
アニメは4年生の時にはじまって、最初のドラえもんの声は、大山のぶ代さんじゃなくて、
違う人だった気がするなあ…。主題歌も、
あ~ら~よっ ぼくのドラえもんが 町をあるけばっ
みんな みんな ふりかーーーえるぅーうよ
はぁドラドラ、
はぁドラドラ、
風切るおつむはつるつるてんだよ
どたどたアンヨは 偏平足だよー
だけど ドラえもん いい男
困った時のドラ頼み 頼んだよ 任せたよ
はぁやっしょーまかしょ ほいきたさっさの~
ドラえーもーん♪
(あらー意外によく覚えているもんですねぇ。びっくりしちゃった)
会場はひろくて、壁などの仕切りはありません。
で、スクリーンがあちこちに設置してあって、
ドラえもんの中の一場面も流れていました。
これ、ドラえもんが工場(ハツシバだったかな?
あれ?島耕作の会社に似てませんか)で一個だけ
運悪く落雷の影響をうけてしまったところ。
いまにもおえっと吐きそうな気持ち悪そうな顔色です。
その後、ほかのロボットと一緒にポケットからどこでもドアを
取り出すチェックを受けるのですが、
ドラえもんはなかなかポケットからものを取り出せなくて、
やっと出てきたものはフラフープ…。
当然ほかのロボットからは馬鹿にされ、落ち込むのですが、
ほかのロボットたちが「OK」のボタンを押してもらうのに、
ドラえもんだけはいつまでも頭上に「OK」が出ません。
悲嘆のふちに沈むドラえもんを救ったのは、気まぐれに
スイッチを押して「OK」を出した赤ちゃんでした。
で、「トイ・ストーリー3」で泣いたのは私だけじゃないと思いますが、
これでもちょっと涙ぐんじゃってダメでした。
ダメロボットの烙印を押されたドラえもんだからこそ、のび太くんの何をやらせても
ダメなつらい気持ちに親身にもなれるし、時には心を鬼にしてビシッと叱ることもできたんですね。
「奇跡の人」のアニー・サリバンも、貧しい環境に育ち、栄養失調状態に長く置かれたせいで
失明に近い状態から手術によって、視力を回復したのだったと思います。
ドラえもんは未来からきたなんでもできるロボット、というだけではなく、
親身で親切で侠気があって、弱いところもみせる、小学生の友達ロボットなのでした。
入り口からはじめは、ドラえもんの、にふさわしくドラえもん中心の展示がつづきますが、
これらは学生たちによる未来の友達ロボットです。
丸っこくて圧迫感がないように小さくつくってあるロボットたちは
実用化したら、街をあるくのが楽しくなるかもしれません。
大学や研究室でロボットについて学んだり研究したりしている人たちによる
ロボットの展示も見どころのひとつでした。