だからあなたも生き抜いて 大平光代
あまりにも有名すぎるベストセラーを、図書館で「食アド」の勉強をしていて、
眠くなったので、気合いをいれるために立ち読みする私。
閲覧室のすぐちかくに「ヤングアダルトコーナー」があり、その棚に配架されているわけです。
資格試験の勉強をしているときの気合い入れ読書に最適!
大平さんは、ご存知の方も多いと思いますが、
中学時代、転校した先のボスに目を付けられ、苛められっ子になってしまいます。
トイレの個室に入っている最中、頭からバケツ一杯の水を浴びせられ、濡れ鼠になる、
学用品やお守りをゴミ箱に捨てられる、
自殺未遂に至ったきっかけは、この人なら、と信じてすべてを話していた友達が
じつは大平さんをずっと裏切っていたということでした。
切腹自殺をしようとしたのでしたが、未遂に終わり、そこから16歳でやくざの組長の妻となる、
という転落がはじまるのでした。
とことん落ちるところまで落ちた大平さんを救ってくれたのは、お父さんの友達でした。
復讐のために、勉強して資格をとったら、と勧めてくれました。
といっても、中学時代から荒れた大平さんは、その資格のためのテキストを読むのに、
辞書をひかなくてはなりません。辞書をひくために、漢字の画数を数えて、それでもわからなくて、
という最初は気の遠くなるようなところからはじまったのでした。
最難関といわれる、司法試験に臨んだ時も、最初は中学英語、数学の基礎からのやりなおし、
からでした。
法学部のある大学に入って、専門の勉強をして受験するひととのスタート地点の違いは、
ほんとうに気が遠くなるようなものだったのです。
でもやりぬいたんですね。宅建、司法書士、そして司法試験と大平さんは難関を乗り越えるたびに、
人としても成長していく。
テレビドラマ「ビギナー」の松雪泰子が演じた森乃さんのモデルは大平さんだという話を聞いたこともありますが、
あのドラマもすきでした。
番組のエンディングで、司法修習生それぞれの過去と勉強をしていたころの映像が流れますが、
そこが特にすきだった。森乃さんはふとショーウィンドウに映った自分のすさんだ姿に心をとめる、
そして決意して勉強をはじめるのですが、(そんな場面はないので想像で補うわけですが)テキストを読みながら、
理解した楽しさに頬を緩ませる場面が印象的でした。
って、これでは「ビギナー」の話になってしまう。
ものすごく読みやすく書かれているのは、かつての自分のように、落ちるところまで落ちて、
この本に一条の光を見出したい、と思う人にも読めるように、という願いからでしょうか。
10分ほどで読了しました。眠気がふっとびました。
というわけで、きょうは問題集を1冊完璧に終わらせました♪
大平さん、ありがとうございます。
受験生・定期試験前の学生さんにもおススメの一冊です♪