アンコ椿は熱血ポンちゃん 山田詠美
山田詠美さんの小説は、数年前からまた読むようになった。
エッセイ集は、この「ポンちゃんシリーズ」は確実に読んでいますねー。
だっておもしろいんだもん!!
山田詠美がどんなに本がすきで、本の話をするのがすきなのかが
伝わって来て、私も本がすきなので、
読んでいるだけなのに、酔っぱらったようないい気持ちになるのであります。
まあ、山田詠美さん自身も、愛される酒乱の文豪を数多くとりあげてきた、と
豪語しているくらいだし。
さて、今回のカヴァーは吾妻ひでおさんです。
つい最近、「うつうつひでお日記その後」をよんだばかりだったので、
なんとなく、縁を感じてうれしい。
吾妻さんはほんとうに本をよく読むので、この本のカヴァーも、
ただ可愛い女の子を描こうとしただけじゃなくて、本をよく読んで、言葉やエピソードを
拾い上げて描いた気がします。
山田さんは子どもの頃、おたまじゃくしをカエルにすることに燃えていたというエッセイもあったし。
でも、吾妻さん自身がカエルとかおたまじゃくしみたいな形態のものが
好きで描いているという気もしますが(笑)。
すきな作家とマンガ家(でも吾妻さんのマニアックなマンガファンじゃなくて、
一連のエッセイマンガのファンなのです)が組んでいると、
すごくうれしいのは私だけでしょうか。北村薫×高野文子とか、
萩尾望都×東逸子とか、古井由吉×東逸子とか…きりがないけど。
文豪の作品はすごくたのしげに取り上げる一方、
美貌の女優を妻としてパリに在住する作家が
女性誌に嬉々としてつづる鼻もちならないエッセイについては、
「~ですかな?」という語尾、美しい奥さんを「妻メ」と呼ぶその傲慢っぷりを
揶揄していて、あ、そこまで書いてくれてありがとう、というくらい、
スッキリする。その女性誌はよく読んでいるんだが、まさか、そんな奇天烈なエッセイが
連載されていたとはねー。
詠美さんのファンの男性は99%がゲイなんだそうです。
そんなに?
で、あるゲイである男子高校生が、
ぼくのすきな3人の女性のひとりに逢えて光栄です、と言ったそうで、
あとのふたりが、
中島みゆき姫(ママ)と、河野多恵子。
…
山田詠美と河野多恵子の「文学問答」はおもしろかったなあ…。
ええ、私もそれはみゆきさんもすきですし、、、、、
でもなんでこの3人の組み合わせになるんでしょうか?
ってことは、私の気質はゲイなわけ?
と、すっごく気になるのだった。ほかにも、ゲイの男たちは山田詠美の
前に現れて、すきな、尊敬する3人の女性の内のひとり、というわけですが、
ほかの3人がマリア・カラスだったり、美空ひばりだったりすると、
なぜここに山田詠美。とご本人も訝る…。
そんでもって、ゲイの男子高校生に、ゲイを主人公にした「僕は勉強ができない」を
書いてくれ、と言われたそうです。よ、読んでみたい。
そのときは表紙カバーはよしながふみでね。