マラソン1年生 たかぎなおこ
ほんとうに人間ってやればなんでもできるんだなあと
ひたすら目を見張ってしまう…。
たかぎさんの本は、気がつけばほとんど読んでいる状態ですが、
いままでたかぎさんに抱いていたイメージは、
一見おとなしいけれど、好奇心があって、柔軟。臆病だといいながら、
行動力がある、という相反した感じ。「ひとりたび1年生」では、沖縄に一人旅を
して、スキューバーダイビングの資格を取る、という偉業を成し遂げています。
だから、たかぎさんがホノルルマラソンを走った、と知った時も、
「え!」
という気持ちと、
「あ、やりそう」
という納得の思いと両方でした。
たかぎさんは最初、親しい友達と一緒に走り始めるのですが、
なにしろ初心者のうえに、事前に調べるということをしなかったので、
いきなり走ったために、毎日が筋肉痛。
これでいいのかなあ。
と思って初心者向けの本をよむと、
最初は歩くことから、とあったじゃないですか。
「30分走れる体力は、30分歩く体力から」
なんか、いろんなことについて応用が効きそうな原則です(笑)。
たかぎさんのマラソンは、ふだんはひとりで走っていますが、
時々友達と一緒に走って、そのあとマンガ喫茶でくつろいだり、
一緒にローカルなマラソン大会に温泉付き観光付きで参加したりと、
けっしてストイックじゃないです。
たっぷり運動して汗をかいたあとのビールと焼き肉がおいしい、って
分かる気がします(笑)。
そこまではいつものたかぎさんの本だなーという思いだったのですが、
ハワイに向かうあたりから、俄然、いつもとは様子が変わってきました。
いよいよ、ホノルルマラソン本番。
いままでがんばってきたことがよぎり、最後の力をふりしぼって
ラストスパートをする場面では、
思わず目頭が熱くなってしまいました。
一緒にマラソンをはじめた友達、のりこさんも
たかぎさんとおなじく地味目で大人しいひとなのですが、
ホノルルマラソンが終わってレストランでのお疲れさん会にて、
ホノルルマラソンは夢だったから、走っている間もとにかくうれしくて、
終わってしまうのが惜しかった~と溌剌とその喜びを語る場面が
印象的でした。
そんなに嬉しい楽しいマラソンってあるんだなあ。と。
たかぎさんは「マラソン2年生」に向かって、また走り出したようです。