行ってよかった、と」思ったのですが、
残念なことに、「出品目録」がなかったです。
デパートの美術館などもそうですが、
しかし作品名と画家の名前だけでもいいから、
リストは作ってほしいなあ切実に。
さて、著名な画家の絵が多く来ていたのですが、
個人的にこの絵に惹かれるーと思ったのは、
こちらの少女の絵。
少女ではありますが、サテンの光沢もうつくしいドレスや、
豪奢なレースなどから、身分の高い少女なのだろうと
察せられますが、
「チャールズ一世の娘、メアリー王女」。
画家はアンソニー・ヴァン・ダイク。
フランドル地方出身の画家でルーベンスの工房ではたらいていた
こともあるそうです。世界史でも聞いたことがあるなあ。
「THEハプスブルク」を観た時も感じたのですが、
王族の幼い子どもたちを描いた肖像画が、どうしてこうも
年に合わぬ威厳を漂わせているのかと言えば、
やはり王族だから、敬われるべきものとして描いて
いるのだそうです。実際はもっと無邪気な表情だったのかも。
とはいえ、この絵は人気で、ちょうどこの絵の王女くらいの
女の子が、この女の子の服は高価そうね、とお母さんに
話しかけていました。お母さんと娘さんのペアで来ていて、
娘さんが年よりしっかりした感じだったのが印象に残っている。
おなじく、肖像画のコーナーのこちらの絵も
人気をあつめていました。
思うに、美術展って、最初と最後にどーんと
持ってきて、真ん中はそこそこ、の
展示が多い気がします。違う?
さて、この高貴な夫人は
「エドマンド・モートン・プレイレル夫人」
画家はトマス・ゲインズバラ。
上半身をひねってこちらをみた表情。
ドレスの布の光沢からレースの重なり具合、
組んだ指先の繊細な表情。
大いに気に入って、5分くらい観ていた気がします。
こちらは、宗教画のコーナーなのですが、
いつもの主題、「マグだらのマリアの改悛」という
やつです。
西洋画はほんとうに「聖書」を知らないと楽しめないだろうなあ
と思って、だから絵の解説にそのエピソードが
書いてあるとホッとします。
娼婦だったマリアがイエスと会って、改悛するというのが
マグダラのマリアなのですが、
この絵のマリアのふっくらとしてつややかな
顔はどうでしょう。青く透き通るような肌が
薔薇色に輝いていて、唇もみずみずしく、
宗教画であることを忘れ、まるでルノワールの絵のようだ、
と思ってしまったりする。
マリアの周りには、雲のなかのエンジェルたちが見守っていて、
まるで、マリアがエンジェル達に聖書を読み聞かせして
やってでもいるような雰囲気もあって、
母性させ感じさせる絵のなのだった。