澁澤龍彦のご令室が龍子さんだと知った時は、
ちょっとあまりのことに、友達と盛り上がりました(笑)。
坂本竜馬とおりょうさんみたい…。
ひとまわり違いの辰年のふたりは、
41歳と29歳で結婚したのですが、
湘南育ちでヨットに乗ったり、スポーツカーを
飛ばしたりするのが快感、という活発で
スポーツライターを目指していた龍子さんと、
書斎の人だった澁澤さんの組み合わせは、
「滞欧日記」や、「高岳親王航海記」につながっていった
のではないかと。
書斎でフランス文学を翻訳していた澁澤さんが、
ヨーロッパを実際に旅したことで、
次第に書くものに変化があらわれていった、と
龍子さんは書いています。
「お叱り帖」という、龍子さんの無知をからかうような
メモや、
飼っていた兎の「ウチャ」のことなど、
澁澤さんが亡くなって18年たってからやっと
書かれた本でした。
「声をなくして」に澁澤さんの本がでてきたので、
しばらくぶりに読んでみたのでした。
鎌倉の紫陽花もいつかみたいと思っています。