メトロの階段をあがって、スタッフの方のケータイにかけて、
さて、お迎えはいかに?ときょろきょろしていた私に、
「菅原さんじゃないですかー」
と、番組プロデューサーの岡田さんが声をかけてくれました。
が?
「あのー。私メガネかけてないんですけど、それでも私ってすぐわかりますか?」
「いやー、どうかなーと思って観察していたんだけど、その動きが」
「動き…ど、どんな?」
「ふふふ」
というようなやり取りの後、若手の女性スタッフも来てくれて、三人で今日の
会場へ。
食材が何であるかは私だって知らされてませんが、
スタッフの女性が、
「今日の食材は、完食カットのあと食べさせてもらうのを、
みんな楽しみにしているんですよー」
と。
そうとう、美味しい、みんながお楽しみの食材らしい。
いいなあ、正司さん。
私は2008年の女王戦で優勝して以来、予選というものに、
ゲスト以外で出たことがない。
つまり、予選を味わっていないんです。文字通り。
予選をくぐりぬけた選手たちが天然の魚だとしたら、
私はさしずめ養殖物です。
安定はしていても、意外性や、おもしろみ、独特の味わいに欠けるし、
自分で言うのもなんですが、
勝負に対して、謙虚さがなくなってきているかもしれません。
私がもっとも怖いのは、女王になる前から、予選、なんです。
その予選を自ら進んで2回もやって、しかもかならず本選にやってくる
正司さんは、私にはない、肝の太さを持っている、と尊敬していた私です。
梅村さんは、昨秋、実力はありながら、若手を育てるという名目で
(しかし佐藤さんと同じ学年なのですが)外されて、そうとう悔しかったはずで、
その思いをぶっつけた大阪予選。1位通過鉄板でしょう。
でも、まさか、木下ゆうかちゃんに負けるなんてーというのが、
この時点での私の率直な感想でした。
木下ゆうかちゃんのことはまだ逢ったこともないし、可愛い子なんだろうなーとは
思っていたけれど、
正司さんが油断しさえしなければ、負ける相手じゃないわ、とさえ思っていました(笑)。
さて、会場につきましたー。
ロケバスで選手待機、ということで、
正司さん、桑野さんとともにロケバスへ…。
あれっ?
見たことのない、顔のちっちゃな、フィギュアめいた美少女がいるぞう?
しかもメイド喫茶仕様。ん?実桜ちゃんの所属事務所のお友達が、代理できたのかな?
とまで思ったんですが、秋葉原のメイドカフェから、きょうのお給仕に来てくれたんですと。
萌え~。
11月に盛岡まで全日本選手権にきてくれた正司さんなので、
あうのは、3ヵ月ぶりでした。
ここで、記念写真を撮ろう、なんて微塵も思わなかった…
だって、これから決勝まで一緒のはずだもんね!
…と、そこまで思っていたんです。
食材は、放し飼いで育てられた鶏が生んだ、濃厚な、黄身がみかんみたいな玉子が
2個半入った、親子丼。一杯400gでした。鶏肉は比内地鶏と烏骨鶏のミックスで、
50gだったかな?とろりとした玉子の濃さが、正司さん好みだなーと。
玉子大食いは私はやったことはないけれど、過去に古川さんとオムライスで
競って負けなかった正司さんなら、どうってことはないだろう、と。
そう思って、目立たないように、奥の流しの前で人垣のあいだから
見守っていた私でした…。
(つづく)