ご愛読たまわりありがとうございます。
ところで、今回はステーキ勝負じゃないです。
期待していただいて申し訳ないが、ステーキに行くまえに、
じつは幻のおやつタイムがあったわけなんだった。
ハワイのおやつタイム、2007年の春の女王戦では、南国フルーツに
はしゃぐ選手たちの様子が映ってましたねー。
ひそかに、その前の対決で御世話係におちた池田さん、たべられなくて
かわいそうだなーと思ってましたが、カメラの回っていないところで
一緒にたべていたんだそうです。良かったよかった。
というわけで、2008年春の女王戦でも、おやつタイムは存在し、
カメラも回っていたのでした。
…ロケバスの中は、佐藤さんと宮西さん、菅原と正司さん、という
組み合わせでおしゃべりが続いていた。
そこへ、曽根さんが入ってくることもあった。
国内戦では、ずっと、ツーーンという感じで、他の選手たちの席には
近寄ろうともしなかった曽根さんだったが、
選手の人数が絞られてきて、さみしくなってきたのか、それとも、
ここまでくれば、という心の余裕が生まれたのか、
たぶん、海老の前の、ロケバスのなかに正司さんと菅原と、スタッフさんが
2,3人、という時にこんなことを話しかけてきた。
「菅原さん、慶君が将来、なにかを習いたいとかやりたいと言ったときに、
お金がないからだめ、と言うのだけはないようにしてね」
いきなりですね。
たぶん、その前に、
「曽根さんは、柔道をならっていたんだよね、地方大会にゲストで来ていたとき、
柔道初段です、って言ってたよね」
てなやりとりがあったんだと思う。
その前には…なんだっけ。正司さんのトライアスロンのことでも話していたのだろうか。
しかし、この発言はいきなりじゃないですか(笑)。
思わず、顔を見合わせる私と正司さん。肝心の息子はといえば、たぶん、
リュックサックのなかで溶けたチョコレートと格闘していたと思う。
「私も親にいろんな習い事をやらせてもらったんだけど、
いま感謝しているから」
…そうですか。ちなみに、そろばん、柔道、ピアノだったかな?
お習字とかもあったかもしれない。
とはいえ、うちの息子はそういうタマじゃなさそうだ…。
曽根さんはかなり熱心に子供の教育について語ったんだが、
そこではっと思ったわけだ。
曽根さんがやたら菅原につっかかってくるのは、
菅原が彼女の母親の年代に近いからじゃないのか?
菅原に対する他の選手たちの対応というのは、
曽根さんのようにつっかかってくる少数派と、
慕ってくれている多数派…いや、少数派と言いなおしましょう。
そんなに好かれてばっかりもいないと思います。
たぶん、どちらも根にあるのは、
菅原のなかの母親的なもの(たしかに大会では
唯一の母親である)に対する、そのひとそのひとの、
個人史的な反応ではないのだろうか。
曽根さんは、習い事をたくさんさせて
もらって感謝をしているという。それに嘘はないだろうが、
どこかでプレッシャーを感じていたはずで、だからこそ、
手を抜いていますよ、抜きっぱなしですよ、という菅原の子供への態度に
苛立つのではないだろうか。
単なる、自分を脅かすものへの反感という以上のものがあるのだった。
さて、ロケバスが向かった先は、これを放映しなかったのは
もったいなかったなーと思える…
バナナなんかについているシールでおなじみの、
ドールですよ。
なんと、ドールくんというゆるキャラというには
あまりにもアメリカンコミックなキャラクターが
出迎えてくれたんである。
なんか、楽しそうだーと思ったら、さらに、
広大なパイナップル畑をパイナップルエクスプレスに乗って、
走る!そういうイベントに招待されたわけだ。
一瞬、観光に来ているかのような錯覚に陥ったほどである。
けっこう乗っている時間が長かったんだが、その間も
ずっとおしゃべりをしている選手たちであった。
…もちろん、心の底では次の食材が気になっているのだが。
さて、パイナップルエクスプレスから降りたところで、
お待ちかねのおやつタイムである。
円形のテーブルに、選手と有志さんの6人がすわっていると、
運ばれてきたものは、
パイナップルのボートにうず高く盛られた、
パイナップルソフトクリームが3本、
というデカ盛りスイーツだったんである。
この画像がないことが悔やまれる…。
フライもののあとの冷たくて甘いものは大歓迎~と
たべはじめたのだが、
舌がすぐにざらついてきた。
パイナップルの酵素パワーおそるべし(笑)。
これは試合じゃないから、べつにいいや、と思った菅原が、
「あ、これ、残していいですか、舌が荒れそうなので…」
というと、有志さんも、
「うん、これは試合じゃないから無理しないで、残したい人は
残してもいいから」
といい、そこへ、
「えっ、菅原さん残すんですか」
と、曽根さんが、きつい口調で咎めた。
ほーら、きたな。
ロケバスの中で親しげに話しかけてきたとおもって油断していると、
すぐこれだよ。
「まあね、ココナツ海老フライをもう少し控えめにしておけば
よかったかしらぁ」
菅原も負けてはいない。曽根さんがぐっと黙ったところへ、
今度は隣の席の宮西さんに、
「宮西さん、そろそろトップを獲らなきゃ。
佐藤さんは苺デニッシュで、
正司さんはくるくるウィンナーで、
私はほとんどずっと1位だしさあ、
宮西さんの出番じゃないの、次は」
と当てつけるようにいう菅原。
どーだ、まいったか!
一年前の女王戦では、新人だったので何を言われても小さくなっていた(つもり)が、
もう負けないもんねっ!
菅原は言うだけ言うと、席を離れた。
ロケバスの中で曽根さんにチクチクやられていた(しかし本人は気付いていない)
宮西さんに対するエールのつもりだった(つづく)。