「キャプテン」が終わった。
意外なラストだったけど、爽やかだった。
「キャプテン」はちばあきおの少年マンガが原作で、アニメの主題歌、
「君は何かができる」がアレンジされて使われていました。
原作は谷口君の成長とチームメイトひとりひとりの個性を生き生きと
描きだしていますが、映画なのでその辺は省かれていました。
たとえば、後輩の五十嵐(なぜかイガラシとカタカナ表記なのでしたが)に
レギュラーを奪われた丸井君が一度は退部届を書いたものの、
キャプテンが神社でとうちゃんのマシン(リアルなはずの「キャプテン」のなかの、
マンガっぽい場面は大工のとうちゃんが作った必殺守備特訓マシーンと、
打撃練習マシーンなのですが、その辺はだれも触れません。なんでや)
でひとり特訓しているのを見て、自分の甘さに気付き、
猛然と今来た道を引き返し、おそらくは一人、猛特訓を積み、
ついに試合でその努力を披露するエピソードとか、
生意気な1年生五十嵐が再三、上級生たちを怒らせる場面とか。
逆に、マンガでは、ん?と思っていた、なぜあの谷口君が名門私立の青葉に
いたのか、という謎は、おとうさんが青葉の校長先生のおうちの普請をした関係で、
転居先が見つかるまでの間、青葉に受け入れてくれた、という話になっていました。
なるほど。
原作では、地区大会では青葉が勝利をおさめ、そのあと全国大会で優勝したものの、
地区大会で規定を超えた選手交代をしていたことが取りざたされ、
中学校野球連盟(だったかなー)の会長から、青葉と墨谷二中の再試合を命じられるのです。
一度はすっかり弱気になり、あきらめきったチームメイトを、谷口君がひっぱり、
地区予選では最後のホームへの滑り込みをアウトにとられた五十嵐君が、
決勝では無理を承知でホームへ突っ込み、逆転勝利をもぎとるのです。
この構成の上手さ!
まあ、映画の限られた時間でそこまでは無理だろうなあと思ってはいましたが。
最後のシーンで、丸井君が次のキャプテンになって、挨拶をします。
キャプテンは、このあと、五十嵐君、やがて体が大きくて甘えん坊の近藤君の4代に
渡って続けられる野球漫画です。
谷口君が高校に入って野球をはじめる、「プレイボール」は、作者の突然の死により
中断されてしまうのですが、
「キャプテン」を超える野球漫画は私には、ないと思います。