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スリルのある恋、ですぐ閃いたのが、中島みゆきさんの歌ですよ。
閉じかけたドアから鳥が飛びこんだわ
夜のエレベーターは私一人だった
ナイフだと思ったわ ありうるわ この恋
(「やばい恋」)
ナイフが飛んでくる恋って、どんなだ。
犯罪だろ、それは。競争率の高い恋ということなんだろうけど、
怖すぎる。バイオレンスな恋。誰と付き合っている設定なんだ
みゆきさん。
若い頃から、恋にスリルを求めたことはないぞ。
というか、恋って、それ自体がスリルじゃないか。
競争率1倍であっても。
相手の心を、表情ひとつ、言葉ひとつで読み取ろうとして、
心はいつも、チリチリしている。そんなもんでしょう。
その恋に、さらにワンランク上のスリルを求める恋といえば、
やはり、禁じられた恋でしょうか。
いわゆる、不倫というやつですね。
自分が実際その立場になったら分からないですが、
自分に家庭があって、さらに恋人も欲しいという考えは、
意地汚い気がします。片手に食べかけのお菓子を握って、
なお、片手を差し出してなにかいいものを得ようとする
子どものようだ。
それでも、ハードルが高いほど燃えるという気分はわかりますが、
わかるけど、したくない(笑)。
一方で、癒やしを求めるといっても、
いまどきは男も女も疲れていますからね。
田辺聖子さんの小説にあった言葉を使えば、
「椅子取りゲーム」ですよ。どちらかが先に「疲れている」と
言えば、もう片方はそのフォローをしなければならない。
先に「疲れている」と言ったもん勝ちみたいな。
つきあい初めは、この人と一緒にいると癒されるなあ、
ということもあるでしょうが、
だんだん、互いの地金がでてくると、
どちらが先に不機嫌になって、相手に気を遣わせるか
という椅子取りゲームになりがちだ。
ってまるで経験豊富みたいだが、人間関係って
そういうもんですよ。
というわけで私は恋愛になにも求めない(笑)。
お地蔵様みたいですね。
ただ誰かを好きになった瞬間から、
世界が薔薇色に輝いてみえる、
そういう気持ちだけは、うらやましいと思う。
みなさんが恋愛に求めるものは、スリル?それとも癒やし?