さっき、テレビで酒井和歌子さんの映像を見て、懐かしかった。
私が酒井和歌子さんが好きだったのは、
「気まぐれ天使」をみてからですよ。石立鉄男主演ドラマのシリーズ
のなかで、私はこれが一番好きだった。
大原麗子という恋人がいて、前半はこの大原さんとの
進展のないラブストーリーが中心なんですが、
後半、皮ジャンでオートバイにまたがって出社するという、
破天荒な部長、酒井和歌子さんがやってきてからが、
話がまた面白くなるのであった。
私は当時中一で、クラスではいつも以上に浮いていたので、
よけいドラマに夢中になったなあ。
どんな関係だったかわすれたけれど、ちょっと浮世離れした、ふわふわ
した若い女の子まで現れるんですよ。モテモテ、でもないが、やたら
女性が多かった。美男で仕事もできる後輩もいた。森田健作だった。
石立鉄男は、サラリーマンとしてはうだつがあがらないんだけど、
じつは童話作家をめざしていて、ドラマの最後の方は、大原麗子との
恋が破局し、たぶん、酒井和歌子とうまくいきそうで、
童話作家としてやっていく目処がつく、という大団円で忙しい展開だった。
石立鉄男の童話で、ひとつだけ印象に残っているのは、同じアパートの
男の子が、病気か怪我で退屈しているんだけど、その子のお母さんも
忙しくてついていてあげられない。石立鉄男はその子のためにだけ、
ある仔馬の話を作るんですね。
仔馬が物語の最後で、橋のない、崖みたいなところで、向こうに渡れば
お母さんに会える、というところで、さあ、どうしようと考えて考えて、
その時、崖と崖のあいだに、虹がかかったんだ。
仔馬は虹をわたって、お母さんのところへいったんだよ。
と語ると、男の子は、お兄ちゃん、絶対に童話作家になってよ、
と言うんだ。たぶん、実際とは違うとは思うけど、大体こんな
エピソードがあったんです。
私は石立鉄男のあのシリーズの中で、これが一番好きなんですが、
なぜか、なかなか再放送というか、一部分でも放映ってないですねー。
黒の皮ジャンの酒井和歌子さんはほんとうにスタイルがよくて、きれいだった。
酒井和歌子と大原麗子って、しかし凄いキャスティングだ。
だれか覚えていらっしゃるかたいませんか?