小学校4年の夏休みに、親戚の叔母から全自動鉛筆削りを貰ったんです。
当時としては画期的だったと思う。わが家レベル的に画期的だけだっただけ
かもしれないけど、ヴィーンっという音で一瞬にして痛いほどきっちり尖った
鉛筆が削れるなんて、SFみたいだった。
それまで使っていたのは、ハンドル回し式のやつで、
弟は嬉々として電動の方で鉛筆を尖らせては喜んでいるんだけど、
私は古い鉛筆削りのキモチを考えると、
そんな新品の鉛筆削りをあんまりもてはやすのもどうかと思う、と、
できるかぎり、今まで通り手回しで鉛筆を削ろう、と決意するのだった。
でも新学期になって、時間が足りない朝になると、やっぱり新兵器の出番だ!
という感じになって、次第に電動ばっかり使うようになっていく…
でも電動の欠点はいったん、鉛筆の芯がモーター部に挟まったりすると、
分解が面倒だったこと。まあ、そのうち子どもでもできるようにはなるんですけど。
そういう時には、今まで使っていた手動鉛筆削りが輝いてみえたなあ。
いままでごめん、やっぱりキミだよ頼りになるのは!という気持ち。
そんな感じで、わたしたち姉弟は2台の鉛筆削りの間をうろうろしながら
ずっとお世話になっていたわけです。
新しい機械が導入されるとき、いまでも古いほうのキモチが気になってしまう…