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雪ですっぽり覆われた、誰の足跡もない景色をみること。
それは学生時代を過ごした、雪国米沢でのことでしたが。
同じ東北とはいっても、雪はまだそれほどでもない地元に比べて、
米沢の雪は衝撃的な量でした。春の入学式に訪れた時にでさえ、最上川はまだ、
その半分を冬の間に投げられた雪で埋まっていたのですから。
やがて迎えたはじめての冬。
朝起きると、寮の部屋のカーテンをあけて窓を外を見ます。
近くの家の屋根が、まるでメルヘンの絵本の家のように思えるほど、
それはみごとに雪に覆われているのです。
静かでなにものにも侵されていない、真っ白な朝の雪景色。
雪の中を2km歩いて学校まで通うのは楽ではなかったけれど、
それでも、あの雪景色の印象は二十数年たっても鮮やかなのです。
みなさんが冬の一番好きなところは、なんですか?