自殺する若い女が この月だけ 急に増える
それぞれに男たち 急に正気に返るシーズン
大都会の薬屋では 睡眠薬が売り切れる
なけなしのテレビでは 家族たちが笑っている
何万人の女たちが あたしはちがうと思いながら
何万人の女たちと 同じと気がついてしまう月
人の叫びも 鴃(もず)の叫びも
風の叫びも 警笛(ふえ)の叫びも
みんな似ている みんな似ている
人恋しと泣け十二月 (中島みゆき「十二月」)
みゆきさんの『グッバイガール』が発売されたのは、25歳の冬でした。
この歌や、このアルバムに所収の歌を聴くと、当時を思い出してしまいます。
そのころ通っていたアルバイト先が、ちょうど踏切の向こう側にあって、
カンカンカンを聞きながら、「十二月」の歌詞を思い浮かべたりしていたものです。
当時は、ウォークマンの時代でしたっけ。
今の季節になると、ふと、この歌を思いだしてしまいます。