佐野洋子さんの絵本も好きですし、エッセイも好き。
どうしてこんなに自由自在にかけるんですか、
いつもいつも、ぽかんと口をあけてしまう。
思い切った表現。奇をてらっているわけではないが、
凡人なら、思わず、周りをちらっと窺い、思っていても言えないことを、
ずばずばと。
「成長するということは、
大きな袋になることだった。
大きな袋の中に、生まれた時からのおれが
一瞬もぬけることなくびっしりつまっている。
だから、おれを四十八歳なんて思わないでくれ。
五歳もあるし、十九歳もある。」
「孤独とは何か。
底なしの自由。
おならをして、たった一人だと気づく時、
ほっほっほと笑う幸せ。」
あー。どうしたらこんなに自由な女になれるんだろう。
佐野洋子、70歳。あこがれのシルバーレディーといったら、
はったおされそうで、ほら、遠慮してしまったじゃないか。