小2の秋だったと思います。
棒針が習った最初だった。
というのも。
『おばあさんの飛行機』佐藤さとる文・村上勉絵、という本がきっかけでして。
このおばあさんは、編物が好きで上手で、いつも頼まれて編物をしているんですが、
編物に飽きた状態にいたわけですね。
ここが、けっこう鋭いなーと思うわけ。編物名人で、どんな模様でも自由自在に編めてしまう
がゆえの「飽き」。
そんなある日、、おばあさんは黒い蝶々を捕まえます。そしてその翅の模様を編んでみようと
思いつく…ところが、編物名人のおばあさんが、ほんとうに久しぶりにいくらやってもやっても、
思ったように編めない、状況に。
おばあさんは、はじめて編物を習った少女のころのように、なんども解いては編みなおしていることが
愉快に思えて、笑ってしまう。ここも深い。
やがて、模様をうまく編めるようになったら、こんどはその編物が蝶々のように、パタパタ舞い上がりはじめます。
そこで思いついたのが、編み物で飛行機!ですよ。
これを読んだ私が、本気で蝶々模様を編めば飛行機ができる!と思いこんだわけでは、
ありませんよ。でも、蝶々の模様を編むという発想がすてきだなーと思ったわけで。
なかなか上手くいかなくて、なんども癇癪をおこした私に、
よくまあ根気強く付き合って、編み物を教えてくれたものだ。母よ。
編物を教えてくれた母には、この季節になるといつも、アリガトと小さい声で
礼を言っているのです…