『ゲゲゲの女房』 武良布枝 (実業之日本社)
もちろん、タイトルからお分かりのとおり、
「ゲゲゲの鬼太郎」でおなじみの水木しげるさんの奥さんの
書いた、水木さんとの赤裸々な半生。
見合で知り合って、片腕はなくても、堂々とした男らしさと、
さりげない優しさに、この人なら、と思って結婚したら。
月収3万円(当時の大卒初任給が1万81千円くらい)と聞いていたのに、
とんでもない貧乏暮らしがえんえんと続きます。でも、
布枝さんは水木さんに従いて行こう、支えようとします。
なぜって…
「精魂こめてマンガを描きつづける水木の後姿に、私は正直、
感動しました。…中略…マンガにかける水木の強い思いに、心打たれたのです。
来る日も来る日もそういう水木の姿を間近で目にしているうちに、
「この人の努力は本物だ」ということを、誰よりも身近な私がいちばん
知っている…そんな「誇り」のようなものを抱くようになったのでした。」
こういう夫婦の在り方は、いろいろ意見もあるのかもしれませんが、
やはり羨ましいです。
「この人の努力は本物だ」と感動する奥さんのきれいな心にも、
胸を打たれました。
また、
布枝さんの好きな言葉が、「終わりよければ、すべてよし」という
のにも、しみじみ感じ入ってしまうのでした。