つづく、と書いてしまっていたことを、メモ帳のファイルをひらくまで、
きれいさっぱり忘れていた菅たんであった。おっとっと。
菅たんは、本が好きで、誰よりも多く読んでいながら、
賞状には縁がなかった。
ただ読んでちょこちょこ、書くだけなんだが。
その、ちょこちょこ書くのが、苦手なんだ。
3行書くより、3冊本をよむほうが、易しい。
というわけで、菅たんの読書記録ノートは、まっさらのままだった。
たまに、
(書こうかな?)
と、思うのだけれども、
読書が賞状のためのもの、になってしまいそうで、
大げさに言えば、読書記録を書くことは、
純粋な読書の楽しみへの、
冒瀆、
のような気がした。
そういう言葉遣いで考えたわけではないけれども、
無邪気に「読書記録」の本の冊数を自慢するクラスメートに対して、
微妙な気持ちになってしまう、菅たんなのだった。
でも、そういう、ちゃんとした子どものやることができない自分は、
だめな子だ、という自己嫌悪だけは充分持ちあわせていたから、
結局のところ、自分の感じ方が間違っている、と、思い、
誰にも、そういう気持ちは話したことがなかった。
そして、明日が読書記録の表彰式、という日。
事件が起こったんである…(つづく)