アキレスは亀に追い付いた、んだろうか。
思っていたのとは、違う映画でした。
私はたけしの映画が苦手なんですが、
この映画は、
悩まないで楽しめました。
一部、芥川龍之介の『地獄變』だな~と思いました。
映画の中には、実に大量の挿入画が出て来るのですが、
エンドロールの
「挿入画、北野武」
に、胸を突かれた。
描いたんだ、たけしが。
マチスの子供時代の絵が一番好きでしたね。
いろんな場面に、あら、
という仕掛けがあって、目配せにふっと笑ってしまう。
繰り返される、自動車事故に、
たけし自身のバイク事故を想起しましたが。
マチスが延々繰り返す実験的な絵も、
元気が出るテレビを思い出しました。
無から有は生み出せない。
北野武の映画は、ビートたけしの人生も、私人としての北野武も、
素材として貪欲に利用している気がしました。
それにしても、脇が腕利きの役者ぞろいで、
見応えあったな。