『最初のひとくち』 益田ミリ著(世界文化社)
益田ミリさんの本、最近になって読み始めたのですが、
「サザエさん」(テレビじゃなくて、原作の方の)みたいな、
細い線でシンプルなタッチなのに、詩情があるというか。
この本も、エンゼルパイやとんがりコーン、小枝など、
懐かしい食べ物や、会社のみんなで行ったしゃぶしゃぶ、
その時周りにいた友達や、同僚、おじさま、家族。
淡々とした調子でつづられています。
添えられた4コママンガも、
肩の力がスーっと抜けている。
平凡って、けっこう奥が深いという気がしてきました。
益田ミリの視点は
いつも平凡なものの中にある、ささやかな真理を見逃さない。
「おもいでおかし」のラストを飾る、セブンティーンアイス。
うれしそうにアイスを片手に、はしゃいでいる女子高生たち。
長めのスカートに時代を感じます。
「17歳である自分たちが
誇らしくて自慢だった。
食べる資格があると思ってた」
なぜか、じーんときました。