- “考える”とはどういうことか?―思考・論理・倫理・レトリック/井崎 正敏
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「個別的なものはただ個別なままでは他者に伝わらない。だから個別なものを伝えるためにいったん一般化する(規範にしたがう)という言語の逆説的な特質を自覚的に洗練させたのが「文学」の機能である。」
「思想は意識にあたえられた感情や気分といういまだ不定形な力を元手に仕立てあげられる。この仕立ての過程をわれわれは思考と呼ぶ。」
小林秀雄からの引用
どんなに正確な論理的表現も、厳密にいえば畢竟文体の問題に過ぎない。修辞学の問題に過ぎないのだ」
考えるとは何か。
何がしかを考えているとすれば、それを伝えるという行為なしには、その内容は分からない。
自分自身でさえも、言語という手段を使わなければ分からないのだ。
「個別的なもの」を抱えているならば、それを一般的に用いられる概念を用いなければならないというのは、皮肉である。個別的なものは、個別的になりえない。「個別的なもの」と判断されるには、「個別」性をまずは一般でも介するように、あらわさねければならないからである。