The end of the world 33 | 沼から出られない

沼から出られない

元トンペン、現アニメ沼。ハイキュー!!、 東リベ、呪術、ウィンブレ他新規開拓中。
旦那22年秋に認知症診断。本人希望ありオス柴りゅーをお迎え、凶暴化により訓練出すも変わらず。23年春に胃がんステージⅣ診断、抗がん剤中断、緩和へ移行。24年4.22永眠

進学先のレベルが一人だけ違うから、マンツーマンで教えるほうが確かに効率はいい。
とはいえ、みんなの時間を奪うわけにはいかないから。
今までだらだら勉強していたのを、短い時間で集中的に教えるようにして。
スビンとの時間を作る。
みんなには事情を話し納得してもらった。

スビンの家で、勉強を教えている間。
その濃密な空気に、圧倒されることもあった。
週に1回程度の時間なのに、その時間が待ち遠しくもあり。
同時に、苦痛でもあった。

30分取れるかどうかの勉強時間。
スビンは教えなくてもできるであろう問題をゆっくりと解いて。
僕の解説に聞き入っていた。
理系は得意だったが、感情を表すのが苦手なのだろう、文系は少し弱く。
そこが唯一のネックと言えばネックだった。

「合格したら、お願いを聞いてくれますか?」
「お願い?」
頷くスビンに、子供らしさを感じる。みんな親にしてもらうであろうお祝いを。
僕に願う心境を思うと、悲しくなった。

彼女もスビンも、受験一色に生活が染まっていき、ゴタゴタも落ち着いて。
年が明け、それぞれに進路が決まっていく。
スビンも難関の高校に無事合格した。

合格の報告と、お願いを聞いてください、と。
スビンから連絡が来た。
 

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