凪 | 市場の歩き方 with SAM

市場は「凪」の様相です。
主要企業の業績発表と今後の見通しを見極めたい時期に
入っていると考えられます。
リスクテイクの円売り外貨買いが後退し、円クロスの為
替は4/6の85.53円を円安の節目に緩やかな円高方向に流
れてきました。

(1)市場動向

4/15のNYダウは12,341.83ドルで前週末比-0.3%で終了
しました。
4/6には戻り高値の12,426.80ドルをつけていました。
4/14には小幅反落の安値12,163.86ドルを経て反発。
狭いレンジの取引になっております。
先週後半3日は3連続の小幅上昇を記録しました。
主要企業の業績発表を控えて、小動きが続いておりま
す。

原油価格は先週末のNYMEXで109.66ドルと110ドル手前で
の取引に入りました。
リビアの停戦、世界経済の小幅減速観測により需給の逼
迫感がやや後退。

米FOMCの見解ではコモディティー上昇は一時的なも
のであり、インフレ懸念は抑制されているとしていま
す。
また、ゴールドマン・サックスは資源価格の上昇は一服
し、買いポジションの調整を指摘しています。
これらの動きを背景に市場全体としてインフレ観測は低
下し、米国債価格は上昇(利回りは低下)しました。

事情としては、、、。
米FRBは、早期利上げ期待を醸成したくない。
できるだけ景気を自立的な回復軌道に乗せたい。
それまでは現在行っている金融緩和を正当化していく。
賢明な動きに見えます。

ECBは4月に入り早期利上げに動きました。
インフレ対応を早期に発動しています。

米FRBは雇用情勢の改善もインフレ抑制と同時に目指
しており、企業体力の回復を支援するポジションを続け
ています。

このほか、先週は欧州の周辺国債務問題が再度意識さ
れ、米国債への入札需要は堅調に推移しました。
米国債の入札が多くあった週としては極めて米国債市場
に追い風な市場環境となりました。

米経済指標は堅調さが続いています。
米小売売上高は+0.4%(前月比)。
米ベージュブック(地区連銀経済報告)好調。
新規失業保険件数は41.2万人。小幅増。
米消費者物価指数(CPI)は+2.7%(前年比)
コアCPI(エネルギー・食品を除く)は+1.2%(前年比)
ミシガン大学消費者マインド指数は69.6。高位。

中国は高度経済成長路線が続きます。
中国第1四半期のGDPは9.7%(前年同期比)
同CPIは+5.45%(前年比)
小売売上高+17.4%(前年比)


米国・中国の2大経済の経済成長率、そして企業業績へ
の期待値は高い状態にあると考えられます。

これまでの業績発表では、好業績の発表でも株価は横ば
い。
売上高が予想に届かなかった、あるいは営業費用が増加
した例では、株価は下落しています。

実態として、業績予想は小幅に下方修正されると見られ
ますが、大幅な修正にはならないと予想しています。
(具体的には一株当たり利益で5%以内の幅を小幅と考
えます。)

今期の決算発表前の市場動向は今までにも増して膠着感
があります。
売上高の伸びの鈍化、原油高、東日本大震災の影響など
リスク材料が多くあるためです。
原発問題の危機が高まる懸念は緩和されています。

QE2からの出口について、バーナンキ議長は「緩やかな
出口戦略」を打ち出してくると予想されます。
今月28日の日本時間未明にはFOMC後の定例記者会見
が予定されています。
本FOMCでは金融緩和継続において、低金利を長期的
に維持することが再度ハイライトされると考えられま
す。


今後の市場見通しとして:

「主要企業の業績見通しが原油価格、インフレ観測、震
災・原発問題でどの程度修正されるか」

「この見通しによって、米金融政策がどのような影響を
受けるか。」

「現在、市場ではどの程度、業績見通しと金融政策の変
化を織り込んでいるか。」

以上がテーマになると考えております。

基本スタンスとして、企業業績は小幅に下方修正があり
得ます。
これまでの四半期毎に見られた期待値を上回る実績値は
一部低下するとみられます。
これを材料とした若干の嫌気売りと、増益減速を織り込
んだ株価水準への収束を予想しています。
その後は概ね堅調な業績を背景にあらたな増益ペースを
織り込んだ株価上昇を予想します。

株式市場に過熱感はなく、市場参加者の景気回復軌道、
企業業績への信頼感によるPERの伸びが期待できると考
えます。
FRBの緩和追認が市場のサポートにもなると予想して
います。

米国債市場:
米長期金利は2年物、10年が低下。30年物は小幅上
昇しました。
イールドカーブは全体が下押し気味です。

米長期金利:
2年物利回り0.8061%→0.6934%。(前週比先週末)
10年物利回り3.5772%→3.4079%。(前週比先週末)
30年物利回り4.6417%→4.6484%。(前週比先週末)
米2年物と10年物との金利差は2.7711%→2.7145%と縮小
しています。

日本の金利:
2年物利回り0.2100%→0.2100%。(前週比先週末)
10年物利回り1.3250%→1.2910%。(前週比先週末)


日米2年物の金利差:0.5961%→0.4834%。(前週比先週
末)


新興国市場:

香港H株式市場はNYダウと同様、反発局面で13,410ポ
イント。
インドセンセックス指数は19,386ポイントまで上昇。
20,000ポイント手前でもみ合い。
ロシアは戻り高値付近。MICEXで1,780ポイント。原油高
一服で小幅調整。
ブラジルはボベスパ指数70,000ポイントを達成後、反
落。先週末には66,000ポイントをつけました。


(2)今週の予定
4/18 米住宅建設指数。シティグループ決算発表。
4/19 米住宅着工件数。ゴールドマン・サックス、J&J、
インテル、IBM決算発表。ブラジル中銀政策金利。
4/20 米中古住宅発売件数。アップル決算。日本貿易統
計。
4/21 独ifo企業景況感指数。米FHFA住宅価格指数。マ
クドナルド、GE、モルガンスタンレー決算。
4/22 グッドフライデー祝日で米国など一部休場。

注目ポイント
・今週は米主要企業の四半期決算発表がつづく。
・原油高の他、日本の震災と関連するサプライチェーン
が米IT企業の業績見通しに影響があるかを見極めたい。
・日本の貿易黒字の減少度合いは震災の輸出への影響を
示すため注目度は高い。
・米小売売上高。米ベージュブックが引き続き景気回復
を示すか。


(3)為替 4/18午後7時15分時点。
・ユーロ・米ドル:1.4334ドル(ユーロ安・米ドル高)
・米ドル・円:82.83円(米ドル安・円高)
・豪ドル・円:87.30円(豪ドル・円横ばい)

ユーロが金利上昇による高値から下落。
米ドル円は83円を上回る円高圧力。
豪ドル円は横ばい。
日本の輸出企業が米ドル売り円買いを抑えている観測あ
り。
米金融緩和の長期化が意識され金利差が拡大しにくい。
原発のレベル7後はリスク資産への投資後退として市場
は織り込んだ。
日本の貿易黒字の縮小は円安要因。

今週は以上です。