スウィーニー・トッド
電波が非常に酷い映画でした。
特に電波が酷いと思われたのがスウィーニー・トッドの娘と駆け落ちをする男だと思います。
ミセス・ラベットに至っては頭の中がお花畑で構成されているようで、甘い夢を語るシーンは非常に微笑ましい。
しかし、ミセス・ラベットは人の些細な感情の動きを機敏に感じることができる唯一の人物であり、あの気難しそうなトッドとも上手く渡り歩けれたのだと思います。
オチが分かりやすくて残念だなと感じました。
作品自体は復讐をするという重たいストーリーで進んでいるのにも関わらず、それを全く感じさせないのがミュージカル形式で物語を進行させるという映画にしては珍しいタイプでの構成にあると思います。
いつ喉元をカミソリで掻き切るのかというギリギリの緊張感がとても良かったです。
ですが、前者で述べたように人物のほとんどが電波なので、困惑することが度々あってそれが評価を下げざる負えない結果になってしまいました。
この作品にグリム童話の要素があるのに少しの疑問を抱きました。
私の思い過ごしなのかも知れませんが、ミセス・ラベットがパイを焼く窯に突っ込まれてしまうシーンは「ヘンゼルとグレーテル」のワンシーンと被っています。
そのワンシーンというのは二人で協力して魔女を窯で閉じ込めて焼き殺してしまうというところなのですが、あくまでも二人が殺す対象は"魔女"であり"人間"ではありません。
しかし、ミセス・ラベットを魔女呼ばわりする人間は作品には一人だけいました。
つまりこの人が言っていることを真実だとすれば、ミセス・ラベットは魔女であり、彼女の顛末はヘンゼルとグレーテルに出てくる魔女の最後と一致するのです。
あと最も残酷だなぁと感じたのはトッドの娘です。
彼女は別に駆け落ちしようとする男に対して何の感情も抱いていない。
それどころが彼の言い分を全て否定するという助けてもらっておいてそれはないんじゃないの?というふてぶてしい態度をします。
駆け落ちする二人の将来が見えそうなやりとりです。
彼女の目的は"外へ出る"ということなので、用済みである彼はどうでもいいのかも知れません。
どことなくシンデレラの本音と意味こそ違いますが根本的な部分が一緒だと思いました。
シンデレラは本当は王子のことを好きではなく、いつまでもあの暮らしをするのが嫌だったからというのが真実だったと思います。
そう考えると何だかんだ言ってこの作品の中で一番恐ろしいのはトッドの娘じゃないのかなぁ。
総評的にちょっと期待外れな映画だったなと。
あ、血が苦手な人は絶対に見ない方がいいですね。
あともう一つ突っ込ませてもらうなら、人肉なんて筋ばっかりで食えたもんじゃないということだけです。
人によっては暫くの間パイが食べられないかも知れません。