毎年のサイクル初詣の場所は決まっている。


自転車乗りの間では有名な激坂スポット。


子の権現 天龍寺



今年はヘルニアで年始は全くうごけず。


やっと時間を確保できたので、


ハルヒル前の“安全祈願ライド”も含めて


子ノ権現は、単純なヒルクライムスポットではない。


もちろん有名なのはその斜度。

「脚を壊しに来る坂」
みたいな扱いをされることもある。

山の静けさ
寺へ向かう道の空気感

そして最後に待っている、あの激坂。

毎年登っているのに、毎回「うわぁ…」となる。


序盤はまだ優しい


最初は比較的穏やかな区間が続く。


ウォームアップにはちょうどいい。


ここで調子に乗ると後半が地獄になることは


経験上わかっている。


なので最初はかなり抑えめ。


呼吸を整えながら、脚を回していく。

ハルヒル前ということもあり、
「無理して踏みすぎない」を意識した。

問題はやはり後半


子ノ権現を語るうえで避けて通れないのが


後半の激坂区間。


いや、本当におかしい。


数字で見れば20%越え


ただ実際に走ると、数字以上に感じる。


視界に入る坂を見た瞬間、


「これ本当に道か?」


と毎回思う。

路面は滑り防止の加工があるけど、落ち葉ですべる。


ダンシングしても進まない


勾配がきつすぎてあきらめたくなる。


自然とダンシングに切り替える。

しかし、立っても楽にならない。


むしろ脚への負担は増える。


サイクルコンピューターからは


一時停止のアラートが出る。


止まってないよ!頑張ってるよ!心拍180超えてるよ!


と言いたくなる。


低速でフラつきながら、それでもなんとか前に進む。


この区間、速度は完全に“歩行者寄り”。


サイコンを見ると笑ってしまうくらい遅い。


「脚を使わない」ができない坂


ハルヒル前なので、本来なら脚を残したい。

効率よく、淡々と。


しかし子ノ権現では、それがなかなか通用しない。


どうしても踏まされる。

どうしても脚を使う。


ペダルに体重を乗せないと進まないし、


少し気を抜くと止まりそうになる。


ヒルクライムというより、“耐える時間”に近い。


でも嫌いになれないのはなぜだろう。


正直、登っている最中は毎回思う。


「なんで来たんだろう」

「なにしてるんだろう」


でも、不思議とまた来たくなる。


そんな事を考えているといつの間にか到着する。


達成感がすごい








何度来ても、「今年も登れたな」と思う。


今回はハルヒル前ということもあり、


安全祈願もしっかりしてきた。


もちろんタイムも気になる。

練習も大事。

でも一番大切なのは、


無事に走り切ることだと思っている。


特にヒルクライムイベントは下山もある。

疲労した状態でスピードも出る。


だからこそ、毎年ここで「無事に帰れますように」


とお願いするのが、

自分の中での恒例行事になっている。


最近はグラベル寄りのライドも増えている。


景色を楽しんだり、寄り道したり。

それはそれで最高だ。


でも、子ノ権現みたいな坂にはまた別の魅力がある。


シンプルに自分と向き合う感じ。


脚の状態、呼吸、気持ち。

全部ごまかせない。


力こそパワー なのである。



そして今年も思う


「やっぱり子ノ権現ヤバい」


これに尽きる。


でも、だからこそ毎年来てしまう。

苦しかった記憶よりも、

登り切った達成感のほうが強く残るから不思議だ。


また来年も来れるようにがんばろう。


帰り道、すでに思っていた。


きつい。

本当にきつい。

でも毎年、ここを登ることで


「今年もシーズン始まったな」と感じる。


子ノ権現は、自分にとってそんな場所になっている。