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From With

子供達に、幸せの見つけ方、教えてあげたい・・大丈夫。隣りにいるから。あなたの周りは、ほら、幸せがいっぱい!!(自宅を色んなお子さんに開放して14年。問題のある子 無い子皆一緒に 同じ時代の同じ時間を生きていきたいな~!一歩一歩、 丁寧に・・)



どうしても どうしても逢いたい人がいて 土曜日、朝一番の飛行機で北海道に向かった。


飛行機苦手、方向音痴の私を心配(?)してFが付き添ってくれ、思わぬ母子旅行になったのも嬉しい。


友人とは夕方ホテルで待ち合わせの約束なので十分な時間を使って小樽に行った。


着いたら、運河観て 街並み楽しんで カフェに入って・・・と車窓の雪景色を眺めながらにわか仕立ての計画を立てた・・・が、



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駅前に出るなり 顔も上げられない吹雪と雪国使用の靴でさえ油断出来ないアイスバーンの洗礼を受け、Fの先輩オススメの食堂までの道は東京人には氷爆祭りの会場としか思えない状態だった。


やっとたどり着いた「なると」という店はこんがりと黄金に揚がった鶏肉の匂いと中央市場のおじちゃん、おばちゃんの口々に披露しあう雪の凄さに満ちていた。


そんな喧騒の中、黙ってウィスキーを飲み ザンギ(←北海道では鶏の唐揚げのことをこう呼ぶ)を口に頬張っては お相手の女性にぼそりぼそりと語る男性がいた。


女性は奥様と呼ぶには若過ぎ、でも リリー フランキーを思わせる静かで温かい眼差しを持つ男性の好みは十分わかっている、といった風で不思議な優しさを持っていた。


そんなこんなの人達に囲まれ、気付くと何だか山田洋二監督の映画のロケーション現場にいるような「なると」だった。




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吹雪の中 アイスバーンを歩いて運河や堺町通りに行く自信が無かったので 大通りでタクシーをつかまえ乗り込む。


あまりの吹雪に通りは観光客の「きゃ~前が見えない~!」「痛っ、もう怖くて歩けない~!!」の歓声だけが西部劇の砂ぼこりみたいに舞い上がる雪の中に響いていた。




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これはもう観光は無理~!!と諦めて 私達も目当てに来たカフェ「北一ホール」に駆け込んだ。


数年前 時間が無くて入れなかった、ランプの北一硝子が経営する それは美しい灯火のカフェだ。


窓の無い店内は全て北一硝子の石油ランプで灯りがとられ、見上げる吹き抜けには何段ものランプが輪を描いて吊されている。


2テーブル離れると顔もはっきりしない程暗く私達お客も自ずと静かに語ることになる。


そして、その薄暗い店内にこもる石油ランプの匂いは 寒い朝 母がつけてくれたストーブの前で暖を取り合った弟の小さな肩を想いださせた。





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札幌に戻る車窓に日本海を見た。思い立って渡道したとはいえ、さっきまでWithルームでレッスンしていた私がこんな景色を眺めている・・・つくづく人生ははっきりとした勇気で思う方に創っていけるものなんだな・・・と思った。





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その「創る」の一歩を託した人は約束の夕方、言葉を涙に変えて私を迎えてくれた。







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平成25年1月18日


~N 二十歳の誕生日~



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今朝、誕生日を迎えたNを布団の中に見た。額に少しニキビを作った顔は誕生の日と少しも変わらず穏やかだった。


Nは、H助産院の小さな部屋で産声を上げ、へその尾がついたまま初乳をふくんだ。そして、のんびりとあくびをすると また うとうとと眠りについた。



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まるであの日から二十年の夢を見ていただけのような、時間だけがフィルムケースに巻き取られてきたような気がした。



そんなことを想いながらいると ふっと目覚めたNが「母さん、産んでくれてありがとう。」と言った。


はっとして私も「N君、お誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう。今日まで元気に育ってくれてありがとう。」と言った。


母子の誕生のセレモニーを無事済ませたからかNは安心したように また 深い眠りについた。




せめて今日だけは・・・といたずらにNの隣に横になってみた。人の本能なのか寝呆けたNが擦り寄ってきた。私はびっくりしながらそのままにいた。


私にすっぽり収まったはずのNの身体は私がすっぽり収まるくらいになっていた。恐々手のひらにのせた頭は もう 両手でも包めず、目を閉じて聞き取った寝息は 明日を想う唄のように響いた。





今日はAさんもFちゃんも遅くなるというので Nはお友達と夕飯にすることになった。(誕生日なのに・・・)と思ったが、明日みんなでお祝いをするので 家族はその時盛大に。


とはいえ母としては誕生日当日何もない、というのも寂しくて 慌て朝食をバースデープレートに仕立てた。


急に思い立ってなので ご飯を20の形に盛り付け 小さなキャンドルを1本立てただけのもの。まるで お子様ランチだ。


「もう7時じゃん!!」とバタバタ支度をしてテーブルに付いたNは苦笑いをしながら ちっちゃな ちっちゃなキャンドルの火を吹き消した。


♪Happy Birthday to You~、Happy Birthday to You~♪


ちょっと恥ずかしかったが、やっぱりこの唄は外せない!?と手を叩きながら歌ったが、案の定 涙が溢れて声につまった。


そんな私をNは「なに泣いてるの・・・」と言いながら何とか歌い終わるまでじっと見ていた。






二十歳の朝の
ささやかな ささやかな
母子のお誕生日祝い。



私は生涯忘れない。







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~成人の日~


前夜、新調した背広を出し、シャツにアイロンをかける。雨になるかも知れないというので、レインコートも用意する。




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11時過ぎ、Nが二階から降りて来て 主人と私に挨拶をする。照れながら神妙に「今まで育ててもらってありがとうございました。」と頭を下げた。


1月14日 成人の日当日


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朝から雨・・・
庭石が洗われて澄んだ空気が流れる。


男の子の成人の日は楽勝、
ちょっと髭をそれば支度に10分と掛からないので、早起きはなし。


朝食もパンと卵とスープだけで簡単に・・・でも、器だけはセレモニー用で孫にブルーの衣装を着せた。


9時半、不動尊参道の和菓子屋さんに頼んでおいたお赤飯と紅白饅頭を受け取りに行く。ちらほら雪混じりになった空を見ながら ご店主が「うちの娘の成人式は膝下くらいまで雪が積もりましてね、家の前を雪掻きして見送りました。いい想い出です。この度は誠におめでとうございます。」とご挨拶を下さった。



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帰宅した頃から雪は本降り、まさか・・・の成人の日になる。


でも、一面の雪景色はえもいわれぬ美しさで我が家を包み込み、私達は純白のセレモニーを喜んだ。


Fが背広姿のNに何枚もシャッターを切る。途中、前髪が気になって洗面所でドライヤー。またシャッターを切る。


10時半、あいにくの出勤になった主人に代わってFが盛大に見送り、Nと私は近所の義父母と義妹宅に挨拶に寄る。


雪は既に積雪○センチと呼ぶにふさわしく積もり、急遽履き替えたNのスノーブーツの足跡が可笑しい。


両家でNがうやうやしく挨拶をし、内祝いのお赤飯と紅白饅頭を貰ってもらう。







近くのマンションにさしかかったところでNを見送る。いつも通りの握手の「行ってきます!」が特別に響き思わず声が詰まった。「行ってらっしゃい!」と握り返し深く息をした。


Nは歩き慣れた道を真っ直ぐに歩いた。


一人で企画、運営してきた母校初の『成人式 Of the student By the student For the student』が気になるのだろう、背中はその思いでいっぱいだった。


いつも二三回振り返る子が見えなくなりそうになって私は思わず「N君!!」と呼んでしまった。


真っ直ぐに残した足跡の先でNはくるりと振り向き大きく手を振った。そして、駅に続く坂道を足早に降りて行った。


気付くともう辺りは銀世界。今日の積雪量は記録に残るだろうと、そんなことを考えながらNの手の温もりをポケットに入れ、私は来た道を戻った。


途中、教室のHちゃんが自宅前で雪だるまを作るんだ!と奮闘していたので、一緒に手伝う。小さな雪だるまを7つ並べてやったら飛び上がって喜んだ。


(この子は今日 半成人か・・・)と、ふと思った。

2013年 成人の日

記録に残る雪の日に成人を迎えたN達は、きっと、記録に残る幸せに恵まれることだろう。






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