てち目線

……………


「ただいまー!」


「…」


「まぁ、そうだよね…さて、ご飯作らなきゃ」


「…ん、あ、てち! おかえり〜!」


「え!? ずーみん! 今日も来てくれたの!? 嬉しい〜!」


「てちが寂しいかな〜って思って、裏口から入ってきたの。w」


「ずーみんのおかげで寂しくない! ほんとありがとう!!」


私の両親は事故で死んだ。


親2人で、旅行に出たその日に事故は起こった。


お母さんは、胸騒ぎがするからその日だけはやめとこうって言ってたらしい。


まさかほんとに事故が起こるとは、誰も思ってなかった。 私が小学1年生の時の話だから、あまり詳しくは覚えていないし、何が起こったかということも理解出来なかった。


ただ、お母さんが出発前に言ったことだけは鮮明に覚えている。


「夢を信じなさい。 あなたが関係する、夢を。」


なんでかは、自分でもわからないけど


その時のお母さんの表情はとても真剣だった。


あの時、お母さんは何を伝えたかったんだろう、とふと考えた。


……………


「まさかずーみんがご飯まで用意してくれていたなんて…」


「えっへん! ゆうのうでしょ! だからてちが帰ってきた時寝てたんだよ〜」


「ご飯作ったら寝るという流れ、謎だねw」


「あはは、お風呂もできてるからご飯食べたら入りなさいよ〜!」


「何から何までほんとにありがとう!! ずーみんは良いお嫁さんになるね!」


「えへへ〜」


小学生ながらにして、独りになった私をずーみんは、こうやってずっと支えてくれている。


よくずーみんのお母さんとずーみんが家に来て


遊んでくれた。 ご飯を作ってくれた。 私が寂しくないように、といつも気を遣ってくれた。


だからずーみんには、ねるのことも話せたんだ。


私が好きなのはねるだけど、ずーみんには家族のような愛がある。



「…いつもありがとう。ずーみん。」


「…ううん、これからも、ね!」


「うっ…ぐすん」


「もぉ、てちったら、すぐ泣くんだから〜よしよしヨシヨシ(。´・ω・)ノ゙」


「だってぇ…ずーみぃぃん!!」



……………


「…ふぅ」



「やっと落ち着いたね。w」


「ありがとうw あっ! 私まだねるに電話してない!!」


「おっ、その様子だと遊びに誘えたんだね! よかった〜」


「そうなの! 電話で予定を決めよう、って話をしてたんだー!」



「じゃあ早く電話した方がいいよ!! 遅くなったら悪いよ?」


「そうだね!! 電話してくる〜」


……………



「もしもしー? ねるー?てちだよ〜」


「もしもしー! ねるだよー!」


さっきやっと落ち着いたばかりなのに、また頬が熱くなった。


「さっきぶり! 明日の予定なんだけどさ、駅の近くを適当にブラブラしない?? ねると2人なら絶対楽しいと思うんだ!」

ちょっと攻めすぎたかな? ううん、でもねるは喜んでくれるはず…!



「さっきぶり〜、駅をブラブラ...めっちゃ楽しそう!! 行くー!」

よかった〜、心なしか、ねるの声が弾んでるように聞こえる!


「おっけー! なら、駅前の広場に9時集合ね! 寝坊しないでよw」


「駅前の広場…なんか引っかかる…」



「どうしたのー? もうちょっと時間遅い方がいい? 寝坊しそう?w」


「ううん、なんでもない! 寝坊なんてしないー! 余裕のよっちゃんだよw 駅前の広場に9時ね! 了解!!(๑•̀ω•́ฅ)」


可愛いなぁ、常に愛想のいいねる。 ほんとに素敵!


「ねるはよく寝るからなぁ...w あ、今の上手くない?」


「上手くないよwww もう、てちったらw」


ツッコミも可愛い、完璧かよっ


「ごめん〜w じゃあそういうことで! もう遅いから切るね? ばいばーい!」


「うん! じゃあねー!」

名残惜しいけど、夜も遅いし仕方ない。


さて、私も明日に備えて寝るか〜




……………




「おーい、てちー? 電話終わったー?って、寝てるじゃんw 私のこと絶対忘れてたでしょ〜 仕方ないなぁ。              大好きだよ。おやすみ。」