明け方3時10分ごろ、目が覚めて
それから、ずっと眠れなくなった。
そして
あの時のことを、思い出した。
高校で
「青春とは?」という
なんとも、臭い作文の課題を出された。
書き物の好きな私なのに
思いは、あるのに
一行を書こうとして
書けない…
また、書こうとして
…書けない。
そのうち、うとうととして
目を覚まし
また、書こうとして
うとうととし…
それを、午前0時すぎまで
繰り返していたら
階下から聞こえる、裏口をたたく音
どんどんどん
隣のおばあさんが
「チョコちゃん、お父さんが…」と叫んでた。
階下に、電話があり
電話が鳴ったのに気づかず
病院にいる母は
隣のおばあさんちに、連絡したようだ。
それから、タクシーが呼ばれ
片道一時間かけて、駆けつけたが
父には
白い布が、かけられてた…
電話に気づいても
間に合わなかっただろうけど
あの、作文がすらすらと書けて
爆睡していたら
隣のおばあさんの
戸をたたく音さえも
気づかずにいたのに違いない。
あの時の作文は、出さず終いだ。
「青春とは?」
年齢に関係なく
自分が輝いて、楽しい時期…と
書きたかった…。