高校のころ、
大好きだった人に好きだといえず
いつかまた会えると
軽い気持ちで卒業しました。
何十年もたって
ふと気付きました。
ずっと後悔していたこと・・・
それはその人に告白できなかったことだと
思っていたけれど・・・・・・。
あのころチョコっこは、父を亡くして
ほんとなら悲しみに暮れていたんだと思うけど、
その通り、うちに帰るといつも泣いてた。
でもそんな毎日の中で
すこしずつ力をくれてたあの人。
笑いかけてくれた人。
ある日聞いてくれた。
「もう落ち着いた？」って。
初めはなんのことかわからなかったけど
父が亡くなったことを言ってくれてるのだと
あとで気付いた。
あの人があの時同じ空間にいてくれたからこそ
私、がんばれた。
あなたにたった一言。
言えずにいたことば。
ありがとう。
・・・・・・そんなこと今頃気付いた。
「好き」という気持ちだけ前に立って
それを出せない自分を悔やんで
でも、人としていちばんいわなければならなかったのは、
ありがとうだったんだ。
もう会う事もない。
言う機会もない。
卒業してしばらくたって知った。
あの人にはご両親がいなくて、養子だったってこと。
だから若くても人の傷みを知っていたんだね。
もうおじさんだね。
あの時は、ありがとう。
あなたがいたから、元気でいれらんだよ。