魔女とレヴィ 第9話 君の手が 


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 西風が冷たく、木々は色とりどりに染まり、
 風に吹かれた葉が、ひらひらと地面に落ちていく。


 レヴィは玄関前で、落ち葉を箒で集めていた。


「あら、レヴィくん。
 掃き掃除? 今日もいい男ね〜」


「そんなことありません。ご主人ほどじゃありません」


「まぁやだ。お世辞もうまくなって〜」


 百合夜に言われて、
 レヴィは“愛想笑い”を覚えた。


(……ここにいるなら、営業スマイルくらい覚えてね?)


 そんな言葉が、ふと脳裏をよぎる。


 この国は穏やかだ。
 嫌な匂いもしない。
 時間さえも、ゆっくりと流れているように感じられた。


「ただいま、レヴィ」


 薬の配達を終えた百合夜が、
 洒落たプランターを大事そうに抱え、いそいそと帰ってきた。


「掃き掃除ありがとう。
 この時期、落ち葉がすごくて」


「はぁ……寒かった。
 あったかいもの、飲もうかな。
 レヴィも、飲む?」


「ああ。俺がやる。
 着替えてきたらいい」


 そう言って、レヴィは紅茶の準備を始める。


「じゃあ、ちょっとやることあるからお願いね」


 百合夜はそう言って、
 大切そうにプランターを抱えたまま庭先へ出ていった。