【独偏ベストテン 21-4】 細野晴臣 作曲シングル作品 (資料編 その2) | 歌謡曲(J-POP)のススメ

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音楽といっても数々あれど、歌謡曲ほど誰もが楽しめるジャンルは恐らく他にありません。このブログでは主に、歌謡曲最盛期と言われる70~80年代の作品紹介を通じて、その楽しさ・素晴らしさを少しでも伝えられればと思っています。リアルタイムで知らない若い世代の方もぜひ!

 そういえば、去年の5月からスタートした独偏ベストテン関連の追加企画、もう年が明けたというのにまだ終わってないんですよねぇ…(←何をいまさら)。そこで今回は、「細野晴臣作曲シングルの資料編(その2)」をお送りしたいと思います

 で、毎回行き当たりばったりでやるもんだから
、私自身が企画の趣旨を忘れかけてます。ここで、いちおう確認しておきましょう。
「私(wishy-washy)が選んだ独偏の順位と、世間の売り上げ枚数(オリコンのデータを参考にしてます)との間には、どれほどのズレがあるんだろう…?」
ってことでしたね


 今回お送りする細野晴臣センセをフィーチャーした独偏ベストテンの記事は、実はもう2年以上も前の話に遡ります。ここ(2012.10.29付け記事(6~10位))と、ここ(2012.11.1付け記事(1~5位))と、ここ(2012.11.5付け記事(補足&資料編))にあるので、まだお読みになっていらっしゃらない方はぜひそちらに先に目を通して戴けると、今回の記事を理解する助けになるのではないかと思います


 それでは、補足&資料編の記事の続きの恰好で、「【独偏ベストテン 19-4】 坂田晃一 作曲シングル作品(資料編 その2)」、スタートしてみたいと思いま~す



(3)オリコン売り上げ枚数との比較

 まずはオリコンの売り上げ上位20作から。こんな感じになっていました~()。

【オリコン売り上げ枚数ベスト20 細野晴臣作曲 シングル作品(A面)】
第1位 ハイスクールララバイ (イモ欽トリオ)(1981.8.5発売、1位、104.3万枚)
第2位 ガラスの林檎 (松田聖子)(1983.8.1発売、1位、85.7万枚)
第3位 禁区 (中森明菜)(1983.9.7発売、1位、51.1万枚)
第4位 天国のキッス (松田聖子)(1983.4.27発売、1位、47.1万枚)
第5位 ピンクのモーツァルト (松田聖子)(1984.8.1発売、1位、42.4万枚)
第6位 赤道小町 ドキッ (山下久美子)(1982.4.1発売、2位、40.8万枚)
第7位 君に、胸キュン。(浮気なヴァカンス) (YMO)(1983.3.25発売、2位、34.7万枚) [ただし作曲クレジットは、坂本龍一・高橋幸宏との連名]
第8位 風の谷のナウシカ (安田成美)(1984.1.25発売、10位、21.0万枚)
第9位 ユー・メイ・ドリーム (シーナ&ロケット)(1979.12.5発売、20位、19.9万枚)[ただし作曲クレジットは、鮎川誠との連名]
第10位 ティアドロップ探偵団 (イモ欽トリオ)(1982.3.21発売、6位、19.7万枚)
第11位 夢・恋・人 (藤村美樹)(1983.2.1発売、13位、16.0万枚)
第12位 ミッドナイト・トレイン (スリー・ディグリーズ)(1974.10.21発売、50位、7.3万枚)
第13位 紐育(ニューヨーク)物語 (森進一)(1983.4.21発売、39位、5.7万枚)
第14位 天使のゆびさき (西村知美)(1988.5.25発売、7位、4.6万枚)
第15位 キョンシー!!! (秋山絵美)(1988.2.5発売、60位、3.3万枚)
第16位 ミラクルライト (森高千里)(1997.10.15発売、20位、3.0万枚)
第17位 見えない世界 (和田アキ子/エッセンス・オブ・カプリコーン)(1975.2.15発売、55位、2.9万枚)
第18位 RESCUE (HASYMO)(2007.8.22発売、14位、2.8万枚)[ただし作曲クレジットは、坂本龍一・高橋幸宏との連名]
第19位 咲坂と桃内のごきげんいかが ワン・ツウ・スリー (ユー&ミー・オルガスムス・オーケストラ(スネークマン・ショー))(1981.2.21発売、58位、2.7万枚)
第20位 心のアンテナ (中川翔子)(2009.7.15発売、8位、2.2万枚)


 うむ。細野晴臣センセの手がけた作品群を、ヒットチャートの観点から眺めてみると、売り上げ枚数がめざましい作品は、すぐにお分かりの通り、’80年代前半に集中していますね。…ということは、「本人の作曲家としての最盛期がちょうどその頃だったということか」と問われれば、私は必ずしもそうは考えていません。彼の残した仕事を俯瞰してみると、80年代前半だけが特に傑出している訳ではなく、70年代、80年代、そして90年代~現在と、それぞれの時代時代に自分のアンテナに引っかかってくるものに食指を伸ばしながら、アメーバのように時々刻々変化しながら独自の活動を続けている、根っからの“音楽人”なんですよね

 だからおそらく、80年代前半が細野センセの最盛期に見えるのは、ちょうどサブカルが全盛だった‘80年代前半に、時代の申し子のように現れてそのまますいすいと波に乗った
…つまり、単に行きがかり上そうなっただけなのではないかと私は思ってます。細野センセとしては、1980年に自身のグループ(YMO)が全国人気を獲得したことで、曲も作れるアーティストとして世間に認知されたところに、ちょうど松田聖子中森明菜をはじめとする超人気アイドルがデビューして、作品提供の依頼が舞い込んだ。 指名がかかるのは名誉なことだし、‘80年代という新たなアイドルシーンの幕開けを予感して、面白そうなので引き受けた。…と、細野センセのテキトーな思考回路からすると、だいたいそんなアバウトな感じなんじゃないでしょうか(←いや、私の勝手な想像ですが)。

 もちろん、超メジャー級アーティストに楽曲を提供するに当たっては、並々ならぬプレッシャーがあったことは想像に難くありませんが、(以前にも書いたように、)細野センセは、筒美京平センセのような職業作家とは違って、曲を提供するアーティストに“オーダーメイド”の作品を提供できるような小器用なタイプではないですから、細野ワールドを押し通すより他に選択肢はない
。後から思えば、松田聖子中森明菜の2人がいずれも細野ワールドとたまたま親和性の高いアーティストだったことは、細野センセにとって幸いだったと思います。

 さてさて、細野センセの場合、ミリオンセラーは1作品、50万枚越え2作品(累計3作品)、30万枚越え4作品(累計7作品)、10万枚越え4作品(累計11作品)…といった感じになっています
。この結果を、これまでにご登場戴いたコンポーザー(加藤和彦小室哲哉井上ヨシマサ川口真網倉一也坂田晃一)と比べてみると、前回の坂田晃一センセよりは上ですが、ミリオン連発の小室哲哉、井上ヨシマサ両氏には遠く及ばず、加藤和彦、川口真、網倉一也という面々よりもちょっと下…くらいコンポーザーとしての世間の知名度が非常に高いことを考えると、皆さんにとっては予想外の結果に思えるかも知れませんが、私に言わせれば、スターボー森高千里とのコラボ仕事のように、意外と「大ハズシ(=世間の需要とかなりずれてる…)」が少なくない細野センセらしい位置づけだなぁ…なんて思ってしまいます

 それではここで、参考(←になるのか
)のために、私が以前に発表した独偏ベストテンを、私の手帳に残っている11~20位のラインナップと併せて再披露してみますと・・・、こんな感じでありました()。


【wishy-washyの独偏ベスト20 細野晴臣作曲 シングル作品(A面)】
第1位 ダンスホールで待ちわびて (タンゴ・ヨーロッパ)(1983.9.28発売、-位、-万枚)
第2位 ハイスクールララバイ (イモ欽トリオ)(1981.8.5発売、1位、104.3万枚)
第3位 プラトニック学園 (コスミック・インベンション)(1982.7.21発売、-位、-万枚)
第4位 ユー・メイ・ドリーム (シーナ&ロケット)(1979.12.5発売、20位、19.9万枚)[ただし作曲クレジットは、鮎川誠との連名]
第5位 天使と魔法 (藤真利子)(1983.10.21発売、-位、-万枚)
第6位 赤道小町 ドキッ (山下久美子)(1982.4.1発売、2位、40.8万枚)
第7位 月下美人 (松本伊代)(1985.10.5発売、38位、1.6万枚)
第8位 Wait My Darling (金井夕子)(1980.10.21発売、-位、-万枚)
第9位 夢・恋・人 (藤村美樹)(1983.2.1発売、13位、16.0万枚)
第10位 見えない世界 (和田アキ子/エッセンス・オブ・カプリコーン)(1975.2.15発売、55位、2.9万枚)
第11位 風の谷のナウシカ (安田成美)(1984.1.25発売、10位、21.0万枚)
第12位 天国のキッス (松田聖子)(1983.4.27発売、1位、47.1万枚)
第13位 ハートブレイク太陽族 (スターボー)(1982.7.7発売、98位、0.7万枚)
第14位 君に、胸キュン。 (サイクルズ)(2001.7.18発売、-位、-万枚) [ただし作曲クレジットは、坂本龍一・高橋幸宏との連名]
第15位 禁区 (中森明菜)(1983.9.7発売、1位、51.1万枚)
第16位 心のアンテナ (中川翔子)(2009.7.15発売、8位、2.2万枚)
第17位 パラダイス ビーチ(ソフィーのテーマ) (松原みき)(1983.4.25発売、75位、1.7万枚)
第18位 SAYONARA (八木さおり)(1988.9.5発売、48位、0.8万枚)
第19位 紐育(ニューヨーク)物語 (森進一)(1983.4.21発売、39位、5.7万枚)
第20位 しらけちまうぜ (小坂忠)(1975.1.25発売、-位、-万枚)
番外編 真空キッス (アポジー&ペリジー)(1984.7.10発売、-位、-万枚) [「月世界旅行」のB面のため、番外扱いとした]


 さっそくオリコン売り上げ枚数ベスト20と比べてみると、私の独偏ベスト20と重複した作品は、「ハイスクールララバイ」(イモ欽トリオ)「ユー・メイ・ドリーム」(シーナ&ロケット)「赤道小町 ドキッ」(山下久美子)「見えない世界」(和田アキ子/エッセンス・オブ・カプリコーン)「夢・恋・人」(藤村美樹)「風の谷のナウシカ」(安田成美)「天国のキッス」 (松田聖子)「禁区」(中森明菜)「紐育(ニューヨーク)物語」(森進一)「心のアンテナ」(中川翔子)…の10作品でした

 前回の坂田晃一センセの時と同様に、過去最高レベルの重複度だったにもかかわらず何とな~く違和感が残ってしまう
のは、かぶらなかった残りの作品で、私がミョーなテイストの曲ばっかりセレクトしたせいなんじゃないか…なーんて自己分析している次第です(ぽりぽり(*゚ー゚)ゞ)。あとね、独偏記事では、YouTubeに厳しい制限がかかっている関係でアップできなかった「プラトニック学園」を皆さんに聴いて戴けなかったのが、心残りだったりねぇ…。ま、しゃあないですケドね。

 それでは最後に、しょこたんの「心のアンテナ」のYouTubeをどうぞ
。彼女の癒される歌声、なかなかいい線いってます(そういえば、今は亡きお父様(中川勝彦)もいい味出してるアーティストでした…)。今回はこれでおしまいとします。またお逢いしましょう~