引き籠り次男のリクが一番興味を持ってやっているのはパソコンゲームです。
ゲームの種類は、以前はチーム戦の対人ゲームFPS（First Person Shooter）だったのですが、その後カードゲームやら、格ゲーなど色々な種類のゲームをやっているようです。
ゲームの種類にもよりますが、FPSなどは、ヘッドセットで敵の動きを察知するのための音が聞こえたり聞けなかったりとか、ディスプレイによっては視野が違ったりとか、パソコンだけでなく周辺機器の性能もゲームの勝ち負けに影響が出るらしく、こだわりがあります。
なので、買うときは本人は相当調べて、そんなにお金があるわけではないので、安めで性能がよい機器を選んでいます。
安めと言っても、一般人の基準からしたら、結構高いのですが
今回、リクが言ってきたのはキーボードでした。
「最近、キーボードの調子がよくないんだよね」
「磁気式のキースイッチのキーボードって知ってる？」
「知らない」
「キーボードのキーを磁気によって押されたのを検知できるしくみで、どれだけ押し込んだら反応するのかも設定できる」
「へー」
「それがいいかなって思ってるんだよね」
基本的にリクには、一緒に出掛けたときや、生活必需品はお金を出すけど、そうでないものにはお金は出していません。お小遣いも渡していません。
パソコン関係は周辺機器も含めて、リクが引き籠って以来、買ってやったことはなく、祖父母からもらったお小遣いを貯めたお金や、コロナの給付金など、リクの金で買っていました。
しかし、それらのお金ももう尽きていて、残りは、去年の年末にキャッシュカードを作ったゆうちょ銀行の口座のお金だけになっているはずでした。
今回、やっとその口座のお金を使う気になったかなと思いながら、私は別の事を言ってみました。
「じゃぁ、アルバイトして買うお金稼いでみたら？最近、タイミーとか簡単にアルバイトできるのあるでしょう？」
（続きます）