その日は退院する長男のカイを迎えに行ってから、リクと皮膚科に行く事にしていました。
リクは自分で行く皮膚科を調べて、上着を着てウエストポーチを付けて出かける準備をしたところで行くのが嫌になってしまい、行くのを止めようかとウダウダした後、なんとか出かけることになりました。
(前回の話はこちら)
もう昼近くなっていたので、午前中の診療が終わらないうちにと、早歩きでA皮膚科に出かけました。
リクは一人で病院に来たことがないので、私が受付をしました。
そこでアンケートを渡され、自分で書くのかなとちょっと不安に思いながらリクに渡すと、ちゃんと自分で書いていたので安心しました。
すぐに診察室に呼ばれ私も一緒に入って、リクがお医者さんに耳の後ろを見せると
「ああ、これは脂肪球だね。このままにしておいてもいいけど、切ってもいい。切る?」と聞かれました。
私は、リクはなんて答えるのだろうと一瞬思ったのですが、
あまり間を置かず、
リクは「はい」と答えていました。
思い返すとリクは事前に色々調べていて、切ることは想定していたようでした。
一旦、待合に戻り再度処置室に呼ばれて、今度はリク一人で処置室に入って切ってもらっていました。
切った後、私も呼ばれて耳の後ろなので自分で貼るのは難しいだろうと、看護師さんから私にガーゼとテープの張り方の説明がありました。
リクは「自分では貼れないから着いてきてもらってよかった」と言っていました。
そして、明日もう一度傷口を見せに来てと言われていたので、
「次来るときは、診察券だけ持ってくればいいの?」とちゃんと自分で行く気満々でした。
前日の「死にたい」モードや、出かけるまでのウダウダからは、考えられないくらい元気になっていました。![]()
リクは家の中に籠っているときは、甘えもあるのか話しかけても返事をしないことも多いのですが、外に出ると家での様子とは違って自分が応対すべき場面では、きちんと応対します。
こういう外との接触を持つ機会をもっと増やせればよいのですが、
リクは、そういう場面を避けており、私や旦那がリクをそいう場面に引っ張り出そうとすると、反発するのでこの時のような偶発的な事件?を待つしかないのです。
ただ今回の出来事は、なにかのきっかけでリクが外に出ることになったら、きっとちゃんと応対できるんだろうなと思える出来事でした。![]()
(続きます)
