今まで受講した講義について、備忘録のその④です。
今回は「クリニック経営のリスクマネジメント(院内トラブル・BCP/実務事例編)」と題して
行政書士法人横浜医療法務事務所代表社員
有限会社メディカルサポーターズ 代表取締役
一般社団法人日本医療法務学会 会長の特定行政書士/医業経営コンサルタントの岸部宏一先生の講義です。
岸部先生は行政書士として大先輩のみならず、医療法人設立関連だけでなくクリニック開業前から法人設立、その後の
必須事項、そして医業承継/廃院までをサポートしていく「医療法務」というカテゴリーを、まさに先頭に立って道を
切り開いてこられた正真正銘の日本のトップコンサルタントです。
3級講座ではトップバッターとして、医学という自然科学領域の習得に全力を注いだドクターに、医療という医学の社会での
適応を付加する存在が必要、と説かれて医院に必要な許認可手続きは院長がわかっているので、院長から依頼された手続きを
すればいい、という考えは間違っていると説かれました。
そのうえで、医療法人制度の解説と、開業時から必要とされる許認可についてのレクチャーでした。
今回の2級講座では、クリニックの経営を取り巻く様々なリスクを分類して、それぞれの起こり得る、実際に発生した
事例に対しどのような対策を立てていくか、最後は大喜利形式のワークを通じてみんなで考えるという講義でした。
クリニックの危機を原因別に分類すると
天災系・・・・・A天変地異ーーーーー地震、水害、台風、がけ崩れ、倒木、交通障害などなど
B建物系------雨漏り(結構多いそうです)、火災、配管系、漏電、エアコン故障、床陥没(!)など
人災系・・・・・C内部要因ーーーーー免許・許認可問題、あとはあまりにも生々しいので書けません...
D外部要因ーーーーー詐欺、暴力、クレーマー、院外事故、ストーカー、などなど
岸部先生が経験したトラブルとその対応
A.天災/天変地異
それぞれの事象に対して、診療停止、職員帰宅、建物安全確認、連絡手段確保など
特に減災/BCP(Business Continuity Plan 事業継続計画)の概念導入がオススメとのこと。
開業前なら、開業地選定前にハザードマップで確認を
B.天災/建物系
火災の時は兎にも角にも避難と安全確保、そして再開準備へ。雨漏り対策などは、建物オーナーとの交渉で
決裂ならクリニック移転もあり。漏電や配管漏れなどの対策は契約関係確認しておかないとあとあとトラブル
に発展しかねない。
C.人災/内部要因
あまりにも生々しいので先ほど割愛しましたが、記録が極めて大事で事案を時系列、客観と主観を分ける、などで
トラブルに対してまず対処して、そのあとに原因排除。
トラブルが起きにくい職場環境を作ることで一定程度の予防が可能になります。
そして先送りも厳禁とのこと。
D.人災/外部要因
ハンコ押す前に必ず確認ルーチンに。即警察事例もあり得るので、開業時には交番に院長自ら挨拶に行っておく。
窓口トラブル、クレーマー事案は相手よりも保健所に先に第一報入れておく。先回り。
まず記録と院長先生の毅然たる対応で職員を守る。
種々の権利義務関係を明確に
変化しないものは存在しない
そして最後に
リスクマネジメントの基本①として対処順位毎分類に基づいての対応
基本②(通則)として、
お金で解決することもあるので現金(流動資産)を常に確保しておく。
状況は変化することを前提に準備
状況の良い時こそリスク対応を想定しておく。追い詰められてからの判断は大体間違えるそうです。
今日もお読みいただきありがとうございました。