*このブログ著者の紹介 *
書いている人:未苑真哉(みそのまや)
・働きながら年間読書数約100冊
・己でも小説書いています。2023年文学レボリューションコンテストで大賞受賞🥇 苦節◯◯年の小説家デビューに一歩近づく😭✨
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こんにちは、未苑真哉です。
ゴールデンウィークも最終日ですね、良き黄金週間ラストになりますように♪
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240506/09/wishing-spring/fc/db/p/o0823108015435058713.png?caw=800)
五月病になる前に、手に取って欲しい一冊
『狂った館』
徳川夢路 文芸社セレクション文庫
ゴールデンウィーク明けと言えば、五月病が心配💦
ということでこちらを。
先日たまたまSNSの紹介で知って、タイトルと内容の衝撃さに惹かれ、即購入した作品てす。
都内の大手百貨店・山手屋《やまてや》に入社した諸星佑也《もろばしゆうや》。
最初に配属された立川《たちかわ》店の呉服売り場で直属上司からろくに仕事内容を教えて貰えず、理不尽にも𠮟責され、パワハラの標的にされます。
パワハラ上司による評価ゆえに社内の昇級を見込めない佑也の一方で、同期の山中《やまなか》が上司に媚びへつらって昇進していき、組織特有のパワーバランスが山手屋内に働いていた。
悪化するパワハラを異動希望を出した佑也は、渋谷店に異動することに。富裕層の担当となり、顧客のニーズに合わせて親身にサービスを行い順調に売り上げを伸ばしていた矢先、思いがけない不幸が佑也を見舞い……。
何と、著者・徳川さんの実体験に基づいているとのこと……!!
表向きはきらびやかなデパート業界の
あまりに非情な裏側に、読了後は放心してしまいました。
とにかく理不尽極まりない。
改めて、「パワハラ」も「コンプライアンス」の言葉も、平成当時の日本社会には全く浸透していなかったのだと実感します。
「こんなのフィクションでしょ?」「そんな会社辞めればいい」等……
今ならきっと簡単に言えることも、佑也が働いていた頃の職場では同調圧力でへし折られていたと思われます。
ぶっちゃけますと、私も十年以上前に上司にパワハラに遭っていました。(※ちなみにコンプライアンスが厳しくなってから、その上司は降格、左遷されました。因果応報・苦笑)
いわゆる「上司ガチャ」失敗の例といいますか、
上司と相性が悪かったら最後。
どんなに仕事で成果を出しても横取りされる、
一方で、あえて叱責する為に仕事を教えない、他職員も付和雷同する……
不健全な組織で起こりえる状況を、『狂った館』ではパワハラ被害者視点で生々しく描かれています。
「これは仕事なのだから頑張らねば」
佑也のような真面目な人ほど、己に鞭を打ち、自責します。
その様子はまるで1枚、1枚と生爪を剝がされていくように、心と体はボロボロに……。
「そんな所から逃げたらいい」と第三者が助言したところで、奪われた側には気力が残されていないことを痛感します。
これはいじめ被害者もそうですね……(涙)
だからこそ本作では、立川店の売り場の華で佑也の恋人・安奈《あんな》と、やり手の女子同期・青木さんの存在は救いでした。
パワハラ被害者、それにより心身を崩された方にとって、理解者が一人でもいることの大きさを噛みしめます。
組織を傘に、他者を貶めていい理由はどこにもない。
今、誰にも言えずパワハラに苦しんでいる方、
その方を支える方へ。
どうか
「自分が駄目ないせいだ」と責めないでほしいと切に願うばかりです。
📖今回ご紹介の本はこちら↓
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2024/05/06
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