『TOブックス大賞』最終選考 9位以内選んで頂きました✨
恋愛小説『アウェイ』はこちら
✽文学フリマ商品、通販はじめました✽
✽ ✽ ✽
コロナ禍で、年末年始をお休みにするお店、コンビニがあるようですね。
子どもの頃はそれが当たり前だったので、
感染拡大を食い止めるにも賛成しています、
未苑真哉(misonomaya)✽です。
勝手に始めた
2020年振り返り読書レビュー📖
は
私、未苑真哉 misonomaya✽ が
この1年で読んだ
2020年に発売された書籍(文芸・ノンフィクション中心)を、
個人的な好みで、勝手に紹介してしております。
(※2020年12月31日まで、つらつらと続く予定)
ステイホームの年末年始、もしお好みに合えば
読書の参考にしていただければ幸いです。
今回は、
④『暗黒の羊』美輪和音 著 <小説>
をご紹介します。
作者の
美輪 和音先生は、大良美波子先生名義で
代表作
ホラー映画
『着信アリ』の脚本家 としても有名ですね。
身内が絶賛するホラー映画なんですが、
私は映像だと怖すぎて耐えられないチキンです🍗
小説なら大丈夫……と思いながら、
手にした本作。
こちらは、続編で
第7回ミステリーズ!新人賞を受賞✨されている
短編推理小説『強欲な羊』2010年創元推理文庫
お読み頂いてから、をお勧めします。
一見、「前作とは関係のない短編小説集?」と思わせつつ、
登場人物・設定などリンクします。
本作の共通モチーフは、🐏 羊 🐏。
羊と言えば、
ふわふわもこもこの毛を纏い、瞳孔が水平👁の家畜ですが、
キリスト教及び、ユダヤ教における「迷える羊」
つまり信徒、のモチーフでもありますよね。
「無垢・純真」の意味合いもあるようです。
それ故か、
生贄のイメージも強いです。
(神に捧げられる場面が『出エジプト記』にあります。)
(ちなみに、私はピンク・フロイド好きなもので
労働者階級を意味する“sheep”が挿入されたアルバム、
『アニマルズ』1977年発表・全英2位記録 を思い出します。
関係ないです……😅)
「羊の皮を被った狼」なんて表現もありますね。
この小説は、この羊たちをイメージした主人公5人の
連作短編ホラーです。
一話目の『炎上する羊』では、
事故現場などの
被害者の模様ライブ配信することで
「いいね!」による承認欲求に溺れていく
おとなしい専業主婦の末路が描かれます。
「いいね!b」を貰わないと精神不安になってしまう、
SNSが生んだ功罪が、無垢な羊🐏の姿で出てきます。
続く2作目、タイトルの『暗黒の羊』では、
とある女子高のダンス部を舞台に、
白い群れの中の、一匹の黒い羊
つまり、スケープゴートが生まれていく様が描かれます。
スケープゴート(英: scapegoat)は、
「身代わり」「生贄(いけにえ)」などの意味合いを持つ
聖書由来[1]の用語。
「贖罪(しょくざい)の山羊」等と訳される。
※Wikipediaより引用
そう言えば、欅坂46の歌にもありましたね。
容姿や技術、目に見えるもので優劣を左右されるダンス部において、
邪魔者として叩かれていく、巧妙な仲間はずれ
とでもいいましょうか。
人間が他者を、羊🐏としてしまう残虐性
は、けっして宗教儀式においてだけでなく、
現代の私達の生活圏内で起きているのかも……。
隣の家にも潜んでいるかも、と思わせてしまう
ビジュアル細部まで伝わる圧倒的な叙景文は、
ホラー映画の脚本家だなぁと唸りました。
読書中、
夕暮れ時に、誰もいない部屋で読んだことを後悔しました……。
🍗チキンなので、暫くトイレに行けませんでした(笑)ぶるぶる🍗
続く3〜5作目、
『病んだ羊、あるいは狡猾な羊』
『不寛容な羊』
『因果な羊』
と、
愚かな純真さから、因業な羊が生まれていきますが
なにせ、連作小説集。
『羊目さん』の都市伝説で、すべての糸が繋がります。
羊目さんとは、
正確には「自分は羊目さんの生贄」で「身代わり」として、
殺したい相手の名前を唱えます。
さもなくば、自分が生贄となってしまう……。
私の拙すぎる文章なのに、書いているだけで怖いです🍗
自分にとって邪魔な者を消したい。
その欲望で、
それぞれの羊たちが絡み合います。
アレは、
弱い心にとり憑きますから――。
収録作・『因果な羊』美輪和音 より引用 P1204 行目
前作、『強欲な羊』必読です。
既読の方は、綿々と繋がる因果にぞっとすること請け合いです。
また、本作は
1人行方不明の登場人物を残して、終わってしまいます。
きっと、続きがあるのでしょう……。
新たな羊🐏が生まれるのを、ゾクゾクしながら待っています。
続(ゾク)編だけに。 orz(失言)
✽
そうそう、🐏羊と言えば、
羊肉の煮込みや、仔羊のローストなど
羊料理のオンパレードの飯テロ小説です🐏🍖
……怖いのになぁ、美味しそうです。
食い意地張りすぎです(笑)
今年、珍しいフライドラム(フライドチキンならぬ!)を
UberEats で頂きました。
おいしいかったです。食べてばっかり(笑)
✽
次回は毛色を変えて、
2020年振り返り読書レビュー⑤
『歴史はバーで作られる』鯨統一郎 著
✽『エブリスタ』小説投稿中 ✽
オリオン座の季節に、こちらの短編小説を。
エブリスタ作品読書レビュー を不定期実施 ※こちら
・作家と読者がやり取りが充実
・1000冊以上書籍化 実績
フォロー作家さんの作品も、続々と書籍化!!
wishing spring✽一押し
うさぎのオリジナルキャラクターによるLINEスタンプはこちら
未苑 真哉 misonomaya✽
#美輪和音
#強欲な羊
#暗黒の羊
#飯テロ
#読書レビュー
#承認欲求
#都市伝説
#着信アリ
#歴史はバーでつくられる