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気が付いたら、クリスマスが終わっていました。
未苑真哉(misonomaya)✽です。
掃除好きなのですが、CM見て気になったこれ↓
効果あるのか、買ったらブログで報告したいと思います
(⚠注意 これは読書ブログです)
✽
気を取り直して、
2020年振り返り読書レビュー📖
私、未苑真哉 misonomaya✽ が
この1年で読んだ
2020年に発売された書籍(文芸・ノンフィクション中心)を、
毎回紹介して勝手にしております。
(※2020年12月31日まで、つらつらと続く予定)
今回は、
③『夜の向こうの蛹たち』近藤史恵 著 <小説>
をお送りします。
近藤史恵先生は『タルト・タタンの夢』など、
ミステリ作家のイメージが強いのですが、
今回の小説は、ミステリ要素もありつつ、
直面するには言いづらい議題のヒューマンドラマでした。
この世に蔓延る、
フェイシズム。
美人は得か、不美人は罪か。
なかなかに、挑戦的かつプリミティブなテーマですね……。
雑に 簡単にあらすじをご紹介します。
主人公・織部妙は「美人作家」と呼ばれることに辟易しながらも、
小説家のキャリアを積んでいた際に、
同じく「美人作家」と噂される新人作家・
橋本さなぎ の処女作に惹かれていきます。
出版社主催の文学賞のパーティーで、偶然にも橋本さなぎに出会う織部は、
「相手を気持ちよくさせる対話に精通した」さなぎに、落胆します。
その代わり、さなぎの秘書である
お世辞にも美人とは言えない、ふくよかな女性・初芝を見つけ、惹かれていきます。
そこから、2人と交流を持ち始める織部は、
橋本さなぎは架空の作家なのではないか?
と疑い始めるのですが……。
ネット注文から届いて、一気読み。
3時間ぐらいでしょうか、面白くてページをどんどん進めてしまいました。
「美人作家」橋本さなぎの正体を追うストーリーは、
容姿に翻弄され続ける女たちの物語です。
「美人だから」
「ブスだから」
面と向かっては言わなくても、
心の中で線を引いて相手にシールを貼り、
匿名での発信では
「だって見た目が美人/不美人だから」と堂々と書き連ねる。
かつて、
メディアで『美人すぎる●●(主に職業)』と形容し、煽るのが横行していたことを思い出します。
それに対して、
「言うほど美人でもなくない?」とアンチが発生する流れ。
今思うと、ぞっとしますね。
決して
美人でも、得なばかりではない不都合な事実
「見た目がいいから贔屓されている」
「顔がいいだけでしょ」
等、についても言及されます。
ちなみに、登場人物は小説家とその秘書。
プロ作家になるハードルの高さを
思い知らされる小説でもあります。
才能があっても・なくても、人は顔で判断される恐れがある。
フェイシズムはついてくる。
そんな怒りから生じる小説でした。
終局、そこから解放される物語は、厭な気持ちのままではなく
確実に萌芽して自由に飛び立って終わります。
蛹が孵化して、蝶になったように。
「自分は他人を顔で判断しないよ」と思っていても、
他者を認識するのは、概ね「顔」。
手だけ、脚だけ、お腹だけを見て、他者を認識するのは
あくまでも「顔」を見てから。
出口 顕 著『臓器は「商品」か――移植される心』を
読んだ時の印象が残っているからでしょうか。
例えば、他者を愛する時、
それが性愛だとしたら、どうしても見た目は条件に残ってしまいがち
なのは、気の所為ではないように思います。
勿論、自分の好み、の基準をもとにですが。
(遺伝子を残す本能なのでしょうか……)
私も、公の場で他者様の容姿に触れる際は、表現を気を付けなければ😢。
(文フリ敢行記にて、福川さんとの初対面で狂喜乱舞した際の文章とか……orz)
「見た目が美人/不美人だから〜」という
愚かしさを脱ぎ捨て、
他者の定めた美醜の偏見から抜け出す強さ
を与えてくれる小説でした。
本分より、私が印象に残った台詞を、一部抜粋してご紹介ます。
「ストッキングとパンプスを
自分の人生から閉め出して
生きていける女性は少ない」
『夜の向こうの蛹たち』近藤史恵 著 より引用 P1204 行目
✽
ちなみに、別視点でいうと
ジョージア料理(※国の方。缶コーヒー☕ではなくて・笑)の
🐏羊の串焼き・シャシリクはじめ、
夜中に切りたてのじゃがいもを揚げてつくるポテトチップス🥔、
高級カフェのスイカミルク🍉、などなど……。
飯テロ小説でもあります(笑)
お気を付けてお読み下さいませ。
ああ、お腹空いてきた……。
✽
上記で、羊肉🐏と打ってお腹がなったので
次回は
2020年振り返り読書レビュー④
『暗黒の羊』美輪 和音 著
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