『TOブックス大賞』最終選考に選ばれました★
恋愛小説『アウェイこちら

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  未苑真哉(misonomaya)*です。



大変ご無沙汰しております・・・

上半期、夏商戦でお仕事がお忙しい方も多いと思います。みなさま、息抜きされて下さいね。


それが理由もあり、更新が滞っておりました(*_*)<(_ _)>


さて。そんな日々の中、

「プライベートの時間だけは忙殺されないぞ!!」と

通勤時に読書を続けているのですが、


今日は私にとって

特別な作家の一人

吉行淳之介さん

について、少し触れてみようと思います。


 



 




作家の父・エイスケさんと

NHK連ドラの主人公にもなった美容師の母・あぐりさんの長男として生まれています。


妹には

これまた作家の理恵さん、女優の和子さん。

超有名!な芸術一家ですね・・・。


あと、女優の宮城まりこさん(※)と公然不倫の関係など(笑)

スキャンダルも盛んな作家さんでした。

※私のんは、市川作品が大好きなのですが『黒い十人の女』 では

可愛らしく、恐ろしかったですね~)



私の、吉行淳之介作品の出会いは

高1でした。

現代文の副教材で購入した

高校生のための文章読本 』。

 

 


 

 こちらでも読めます



授業、定期テストでも全く触れられることなかった本だったのですが、

暇つぶしがてら、当時なんとなしに読んでいました。


氏の

「蝿」という超短編

(たった3ページで終わってしまう)

当時、どれほどの衝撃を受けたことか・・・。



主人公の女子高生が、他校のボーイフレンドと下校デートをしている話なのですが、

好意を持っていた彼氏を、
突然に拒絶してしまう「あること」で、

衝撃的に話は終了します。



少女の心情は、殆ど描写されていません。

彼女の動作・・・、

自室で一人耽る行為と、彼とのやり取りから、それはじんわりと滲み出ているのを掬い上げる文章です。

しかも、その光景を目にしているのは

吉行氏の目線であり、

無機質で、ひどく冷たい視線に感じます。



短編は読みごたえのあるものが多く

『鞄の中身』 は当時何度も読み返しました。


 




この短編集でも、そして


 

 



『砂の上の植物群』 を代表とする長編などでも、


氏の鋭く、

冷たい目線が端々に感じられます。





それでいて、プライベートでは色男の名を欲しいまま(笑)にしていた通り、


題材は、

女性との「恋愛」「愛欲」「性」がメイン。

同時に何人とも付き合うプレイボーイな主人公ばかりです・・・。





以前、「今でしょ!」でお馴染み林修先生が、

「男性作家は、

モテる作家か

まったくモテない作家か、どちらかだ」

と断言、作品を分類しているのを面白く拝見しましたが(笑)

吉行氏は

完全に前者です。


実体験がなかったら、娼婦やバーのママ、ホステス、行きずりの女性、女優などなど・・・

豊富な恋愛小説は書けないはずです汗


読者が呆れるほどの女好き。

そして、女性に尽くすマメさ。

さまざまな女性が小説に彩りを添えますが、「よく観察しているよな」という描きっぷりです。

それはもう、「女性を嘗め尽くす」かのように(笑)


けれど、

鋭く、冷たい目線は、

同時に女性の怖さも捉えています。


器用に女性の間を行き来する色男を演じながらも、

結局は

「女」という異人を掴めないまま、

その存在にれている。


それは、「蝿」の主人公の少女が感じた少年への拒絶(この場合、男女は逆ですが)

に通じるもののように感じます。



誰よりも女好きなのに、

誰よりも女嫌い。


ただの性描写の多い小説(苦笑)だと思って、氏の小説を読み始めると(そんなことしないって?)

痛い目に遭います。


男女の「性」「交」が、無味乾燥にすら思えてくる打撃を与える作家でもあります。




都会的でスマートの会話は、心地良いリズムで読みやすいながらも、

地の文では、冷静沈着かつ、客体的に情景を描き上げる。

その中に浮かび上がってくるのは、

他者への拒絶と執着。





出逢ってもうすぐ20年近くになりますが、

読み返すと、新たな触発を受ける作家の一人です。


 

 



 

 



 

 



ちなみに、最近古本屋でゲットして読んでいるのはこちら↓

にせドンファン (角川文庫 緑 250-23)/角川書店


¥325
Amazon.co.jp

タイトルからして・・・ですね(笑)




最後に、

吉行淳之介氏の魅力をもうひとつ。





・・・ハンサムです(爆笑)



TMNETWORKビジュアルブック

『KissJAPAN』

 スーツ姿の小室さんを彷彿とさせる・・・。


(見開き54~55ページあたり。12/22郡山~12/24盛岡滞在の際の写真です)



 

 





・・・似てない、です、か、ね?(苦)







言い逃げで失礼します!!


未苑真哉

misonomaya*