ポール・デスモンド 名盤ベスト5
ポール・デスモンド 名盤 ベスト5第5位 89.8点『PAUL DESMOND / TAKE TEN』Take TenAmazon(アマゾン)817〜1,540円P.デスモンドのリーダー・アルバムで、ギターのJ.ホールと共演しています。録音は、1963/6/5 , 1963/6/10 , 1963/6/12 , 1963/6/14 , 1963/6/25の5回に亘って行われました。1963/6/5 , 1963/6/14, 1963/6/25に録音された曲は『PAUL DESMOND / EASY LIVING』にも収められ、1963/6/10に録音された曲は『GLAD TO BE UNHAPPY』にも収録されています。この二アルバムはイージー・リスニング・ジャズっぽくて要警戒ですが、このアルバムは大丈夫でした。ボサ・ノヴァが四曲入っていますが、P.デスモンドのアルト・サックスは、S.ゲッツのテナー・サックスに迫る相性の良さを見せます。相手がD.ブルーベックのピアノではなく、J.ホールのギターであることも幸いしています。PAUL DESMOND(as) JIM HALL(g) GENE CHERICO(b) GENE WRIGHT(b) CONNIE KAY(ds)90点 side1-1 「TAKE TEN」 1963/6/2589点 side1-2 「EL PRINCE」 1963/6/1489点 side1-3 「ALONE TOGETHER」 1963/6/1288点 side1-4 「EMBARCADERO」 1963/6/1494点 side2-1 「THEME FROM “BLACK ORPHEUS”」 1963/6/1089点 side2-2 「NANCY」 1963/6/1490点 side2-3 「SAMBA DE ORFEU」 1963/6/1089点 side2-4 「THE ONE I LOVE」 1963/6/5「テイク・テン(1-1)」P.デスモンドのオリジナルで、「テイク・ファイヴ」の続編と言って良い曲です。ここではJ.ホールのギターがD.ブルーベックの代役として、例の「タラッタラタンタン」を演ります。P.デスモンドのソロにはオリエンタルな気分が入ります。完全な二匹目のどぜう狙いですが、気品があり別格の90点です。「エル・プリンス(1-2)」P.デスモンドのオリジナル・ボサ・ノヴァです。P.デスモンドはボサ・ノヴァとの相性が良いですね。S.ゲッツの次くらいに良いと思います。J.ホールとの対位もあり、お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。「アローン・トゥゲザー(1-3)」E.シュワルツの曲で、ミディアム・ファーストのテンポです。意表を突かれました。P.デスモンドは高いレベルの安定したソロで、その実力を見せつけますJ.ホールはオクターブ奏法も交えて熱が入ります。お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。「埠頭(1-4)」P.デスモンドのオリジナルで、ボサ・ノヴァ特有の気怠さを少し漂わせます。明るい陽光の下で、ううーっと伸びをするような、そんな怠さです。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。「黒いオルフェ(2-1)」L.ボンファの当たり曲です。ボサ・ノヴァのリズムに乗って、P.デスモンドの美しいアルト・サックスは、ペーソスを湛えた軽みを持って、この曲の決定版と言って良い名演を生み出しました。S.ゲッツのボサ・ノヴァに迫る素晴らしさです。J.ホールのギターも哀しみを湛え、気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨める直前の94点です。「ナンシー(2-2)」J.V.ヒューゼンの曲で、ここもP.デスモンドのアルト・サックスが限りなく美しいです。昔を想い出して、センチメンタルな気分になってしまいました。J.ホールのギターは落ち着きと安らぎを与えてくれます。お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。「オルフェのサンバ(2-3)」L.ボンファのよく知られた曲です。P.デスモンドはボサ・ノヴァから刺激を受け、プラス・アルファの素晴らしいソロを聴かせてくれます。J.ホールのソロも素敵で、気品があり別格の90点です。「ザ・ワン・アイ・ラヴ(2-4)」I.ジョーンズの曲で、P.デスモンドの輝かしいアルト・サックスから始まります。ジャズの香りが横溢していて「いいですねー」。J.ホールのソロもあります。極上のイージー・リスニング・ジャズは、お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。94点 side2-1 「THEME FROM “BLACK ORPHEUS”」 1963/6/10第3位 90.2点『DAVE BRUBECK / THE GREAT CONCERTS』Great Concerts: Amsterdam EtcAmazon(アマゾン)678〜5,929円ベースにG.ライト、ドラムにJ.モレロが加わり、D.ブルーベック・レギュラー・カルテットの誕生です。1957/3/5の(7,8,9)はコペンハーゲンでのライヴ、1963/2/21の(1~4)はカーネギー・ホールでのライヴ、1963/12/3の(5,6)はアムステルダムでのライヴです。カーネギー・ホールでのライヴは、ライナー・ノーツでは1963/2/21になっていますが、1963/2/22が正しいようです。三つのライヴを一枚のCDにまとめた訳ですが、良い演奏だけをピック・アップしたのか、とても充実したCDになりました。(少なくともカーネギー・ホールのものは、良い演奏ばかりを選んでいます。)DAVE BRUBECK(p) PAUL DESMOND(as) GENE WRIGHT(b) JOE MORELLO(ds)88点 CD1-1 「PENNIES FROM HEAVEN」 1963/2/21 (1963/2/22)89点 CD1-2 「FOR ALL WE KNOW」 1963/2/21 (1963/2/22)92点 CD1-3 「BLUE RONDO A LA TURK」 1963/2/21 (1963/2/22)94点 CD1-4 「TAKE FIVE」 1963/2/21 (1963/2/22)89点 CD1-5 「TAKE THE “A” TRAIN」 1963/12/392点 CD1-6 「THE REAL AMBASSADOR」 1963/12/389点 CD1-7 「WONDERFUL COPENHAGEN」1957/3/591点 CD1-8 「LIKE SOMEONE IN LOVE」 1957/3/590点 CD1-9 「TANGERINE」 1957/3/5「ペニーズ・フロム・ヘヴン(CD1-1)」A.ジョンストンとJ.バークの共作です。D.ブルーベックが前奏を弾き、トリオでテーマを奏し、そしてP.デスモンドが登場する。この常套パターンをここも踏襲しています。P.デスモンドのソロは、線が少し太くなったように思います。もっとも美しいことに変わりはありません。まったく見事なものです。D.ブルーベックのソロ、D.ブルーベックとJ.モレロのフォー・バースと続き、最後にP.デスモンドとD.ブルーベックが絡む処はなかなかお洒落です。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。「フォー・オール・ウィー・ノウ(CD1-2)」S.M.ルイスとJ.F.クーツの共作です。D.ブルーベックの前奏があり、その後すぐにP.デスモンドが出て来ます。このパターンは更に良いです。P.デスモンドのアルト・サックスは落ち着きをもたらせ、しっかりと浸らせてくれます。ここまでは別格の90点。そしてD.ブルーベックにソロが移ります。まずはP.デスモンドが作った空気感から始め、次第にD.ブルーベック色を強く出します。お終いにP.デスモンドが再度登場して空気を半分入れ替えます。お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。「ブルー・ロンド・ア・ラ・ターク(CD1-3)」D.ブルーベックのオリジナルで、P.デスモンド作曲の「テイク・ファイヴ」に続く変拍子ジャズの傑作です。P.デスモンドはソロに入ると、フォー・ビートで(彼としては)熱演します。続くD.ブルーベックもフォー・ビートで負けじと熱演しますが、J.モレロが煽ること、煽ること。聴衆をすっかり乗せてしまいます。気品があり別格でいつまでも浸っていたい92点です。「テイク・ファイヴ(CD1-4)」P.デスモンドのオリジナルで、『TIME OUT / DAVE BRUBECK』の時よりもテンポ・アップしています。P.デスモンドのソロも、違う雰囲気にしよう、変えよう、という意志を感じさせます。次は、D.ブルーベックのピアノ・ソロが出て来るので新鮮な感じを受けます。ソロの終盤にJ.モレロはバス・ドラムで伺いを立て、そして短いドラム・ソロをとります。気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨める直前の94点です。「テイク・ジ・エイ・トレイン(CD1-5)」B.ストレイホーンのオリジナルです。A列車は軽快に走りますが、P.デスモンドのソロになると、その軽快さは弥増します。流線型の美しい列車です。D.ブルーベックも軽快、D.ブルーベックとJ.モレロのフォー・バースも軽快です。お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。「ザ・リアル・アンバサダー(CD1-6)」D.ブルーベックのオリジナルで、ノリが良く、僅かに粘り、「いいですねー」 P.デスモンドのソロは構成に気を配り、聴き応えがあります。「素晴らしい!」 続くD.ブルーベックは、ブルーベックのブロック・コードを駆使して、聴かせます!バックのJ.モレロも素敵です。気品があり別格でいつまでも浸っていたい92点です。「ワンダフル・コペンハーゲン(CD1-7)」F.レッサーの曲で、P.デスモンドが美しい音でワルツを吹いてくれ、一方のD.ブルーベックはタイム的な遊びをして見せます。お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。「ライク・サムワン・イン・ラヴ(CD1-8)」J.V.ヒューゼンの曲で、こういうスタンダードを演らせるとP.デスモンドは唯一無二の魅力を発揮します。D.ブルーベックのピアノも落ち着いて寛がせてくれます。気品があり別格でちょっと浸りたい91点です。「タンジェリーン(CD1-9)」V.シャーツィンガーの曲です。ここでもP.デスモンドの美しいアルト・サックスの音色に浸りっぱなしとなります。割と長いソロですが、まだまだ、どーぞ、どーぞです。J.モレロのブラシも良く、D.ブルーベックはここでもタイム的にあそびます。P.デスモンドとJ.モレロのフォー・バースの洒落ていること!気品があり別格の90点です。第3位 90.2点『PAUL DESMOND / EDMONTON FESTIVAL ‘76』Edmonton Festival '76Amazon(アマゾン)4,000〜13,210円ポール・デスモンドのラスト・ライヴで、カナダはエドモントンのジャズ・フェスティヴァルに出演した時のものです。メンバーは、同じくカナダはトロントのバーデン・ストリート・ジャズ・クラブで半年前に行われた時と同じです。その時と同じ曲が多く再演されています。それ以外の曲も含め、全てが以前の演奏を上回っており、P.デスモンドは最後に素晴らしいアルバムを残してくれました。P.デスモンドにとってカナダは特別な地となりました。それにしてもギターのE.ビッカートとD.トンプソンは素晴らしいサイド・マンで、このカルテットであと何枚かのアルバムを作って欲しかったです。P.デスモンドの嬉しい変身とナイス・サイド・マン、嗚呼なんと残念なことでしょう!PAUL DESMOND(as) ED BICKERT(g) DON THOMPSON(b) JERRY FULLER(ds)88点 CD1-1 「JUST SQUEEZE ME」 1976/4/1492点 CD1-2 「DARN THAT DREAM」 1976/4/1490点 CD1-3 「WAVE」 1976/4/1489点 CD1-4 「SOMEDAY MY PRINCE WILL COME」 1976/4/1491点 CD1-5 「WENDY」 1976/4/1491点 CD1-6 「TAKE FIVE」 1976/4/14「ジャスト・スクィーズ・ミー(CD1-1)」F.ウォーラーのオリジナルで、E.ビッカートが柔らかくイントロを始めます。P.デスモンドは柔らかさに優美さを加えてテーマを吹きます。落ち着いたテンポの下P.デスモンドは温かくてまろやかなソロを聴かせてくれます。E.ビッカートが丸みを帯びたギター・ソロで続き、D.トンプソンのベース・ソロに繋ぎます。ふくよかなP.デスモンドが帰って来て終曲です。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。「ダーン・ザット・ドリーム(CD1-2)」J.V.ヒューゼンの曲です。この曲もE.ビッカートのナイス・イントロで始まり、P.デスモンドは寂しさを湛えてテーマを吹きます。以前には無かったことで、この変化は大歓迎です。しかし、この後のアルバムはもうありません…。折角バラードを素敵に吹いてくれるようになったのに…。アドリブも浸れます。「拍手!」E.ビッカートは温かみのあるギター・ソロで続き、D.トンプソンも素敵に続きます。再度登場のP.デスモンドは全音域で美しさを見せ、気品があり別格でいつまでも浸っていたい92点です。「ウェイヴ(CD1-3)」A.C.ジョビンのオリジナルで、ボサ・ノヴァの名曲の一つです。P.デスモンドは少しの気怠さに温かみを加え、全音域の音色に気を配り、そしてその全てを美しく仕上げます。E.ビッカートはまろやなかオクターブ奏法とも言うべきナイス・ソロを聴かせ、D.トンプソンのベース・ソロに繋ぎます。再びP.デスモンドが現れ幸せな気分になります。気品があり別格の90点です。「サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム(CD1-4)」F.チャーチルの曲で、フワーッと始まります。以前はミディアム・テンポで軽ーく弾んでいたP.デスモンドですが、今日は余韻を持って静かに弾みます。私はこっちの方が遥かに好きです。続くE.ビッカートはフツーに彼らしく弾み、D.トンプソンはナイス・ベース・ソロを聴かせてくれます。お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。「ウェンディ(CD1-5)」P.デスモンドのオリジナルです。今日もE.ビッカートがギターで静かに始め、P.デスモンドの登場です。やはり線が少し太くなっています。P.デスモンドの今日のアドリブも前回の演奏同様浸れます。「いいわー」E.ビッカートが静かなオクターブ奏法を効果的に聴かせ、D.トンプソンがバトンを受けます。この二人は本当に「いいですねー」 気品があり別格でちょっと浸りたい91点です。「テイク・ファイヴ(CD1-6)」P.デスモンドのオリジナルです。ギターが例のリフで始め、P.デスモンドがあのテーマを吹きます。今日は基本に戻ったなあーと思いましたが、アドリブに入るとやはり中東の風が吹き始めました。D.トンプソンは中東の風を抱いて今日も素敵なベース・ソロを聴かせます。「拍手!」気品があり別格でちょっと浸りたい91点です。第2位 90.9点『PAUL DESMOND WITH THE MODERN JAZZ QUARTET』Paul Desmond & The Modern Jazz QuartetAmazon(アマゾン)1,600円P.デスモンドとモダン・ジャズ・カルテットの一期一会は、この上ない傑作となりました。MJQに五人目のメンバーが加わるとしたら誰か?と聞かれて、衆目が一致するのはP.デスモンドであると言われましたが、将にその通り!素晴らしいアルバムが誕生しました。ジャズというスピリットの上に、P.デスモンドとMJQという二つの美しさがバランス良く配置され、二度と観られぬ、二度と聴かれぬ、見事なステージとなりました。PAUL DESMOND(as) JOHN LEWIS(p) MILT JACKSON(vib) PERCY HEATH(b) CONNIE KAY(ds)94点 side1-1 「GREENSLEAVES」 1971/12/2590点 side1-2 「YOU GO TO MY HEAD」 1971/12/2591点 side1-3 「BLUE DOVE」 1971/12/2588点 side1-4 「JESUS CHRIST SUPERSTAR」 1971/12/2591点 side2-1 「HERE’S THAT RAINY DAY」 1971/12/2590点 side2-2 「EAST OF THE SUN」 1971/12/2592点 side2-3 「BAGS’ NEW GROOVE」 1971/12/25「グリーンスリーヴス(1-1)」イギリスの美しい民謡です。幾多の名演奏を産んだこの曲を、P.デスモンドもMJQも、さらりとさり気なく美しく出ます。美的センス満点のMJQがP.デスモンドをサポートするのですから、結果は予想通りの素晴らしさです。気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨める直前の94点です。「ユー・ゴー・トゥー・マイ・ヘッド(1-2)」J.F.クーツの曲です。バラードを演らないP.デスモンドは、ここも軽めにサラッと演ります。ないものねだりは止めて、この上質な美しさを楽しむことにします。J.ルイスのバック・ピアノもM.ジャクソンのヴァイヴ・ソロも素敵です。気品があり別格の90点です。「ブルー・ダヴ(1-3)」メキシコ民謡です。J.ルイスが聞き覚えのあるメロディーを弾き、P.デスモンドはソロの初めからお洒落で、民謡特有の温かみと朴訥さが心を和ませます。P.デスモンドだけでなく、M.ジャクソンもJ.ルイスも温かさがいっぱいです。気品があり別格でちょっと浸りたい91点です。「ジーザス・クライスト・スーパースター(1-4)」A.L.ウェバーの曲です。今までの三曲とは少し毛色を異にし、いかにもMJQっぽく演ります。MJQにP.デスモンドが客演しているという感じがここではよく出ています。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ(2-1)」J.V.ヒューゼンの曲です。P.デスモンドは珍しくバラードの香りを少しだけですが滲ませます。「いいですねー」 気品があり別格でちょっと浸りたい91点です。「イースト・オヴ・ザ・サン(2-2)」B.バウマンの曲です。P.デスモンドという白い雲が、MJQというもう少し大きな雲と並んで青空に浮かび、そしてゆっくりと流れて行きます。テンポがいいので、さーっと流れて行くと言うべきか…。M.ジャクソンとP.デスモンドのフォー・バースも実に上品です。気品があり別格でちょっと浸りたい91点です。「バグズ・ニュー・グルーヴ(2-3)」M.ジャクソンのオリジナルです。何度聴いてもこの曲は「いいですねー」。いつものカルテットにP.デスモンドが加わり、新しい「バグズ・グルーブ」です。P.デスモンドは“異質のものに触れると新しい魅力を見せる”の法則通り、ここでも普段は見せないエモーショナルな面を見せます。M.ジャクソンはエモーションの塊りで、J.ルイスはモーニングの下にエモーションを隠し見せます。気品があり別格でいつまでも浸っていたい92点です。94点 side1-1 「GREENSLEAVES」 1971/12/25第1位 91.5点『PAUL DESMOND QUARTET / LIVE』LiveAmazon(アマゾン)1,280〜2,668円ポール・デスモンド・カルテットが、カナダはトロントのバーデン・ストリート・ジャズ・クラブに出演した時の模様を記録した二枚組のアルバムで、1975/10/25から11/1に亘っています。ギターのエド・ビッカートとベースのドン・トンプソン、この二人が素晴らしいサイド・マンで、P.デスモンドは最後に最高のメンバーに恵まれて、最晩年にして最高のパフォーマンスを行います。文句なしのベスト・ワン名盤です。なお『PAUL DESMOND』というアルバムがありますが、それはこの二枚組の続編となっています。PAUL DESMOND(as) ED BICKERT(g) DON THOMPSON(b) JERRY FULLER(ds)90点 side1-1 「WENDY」 1975/10/25,27,30,31 11/190点 side1-2 「WAVE」 1975/10/25,27,30,31 11/191点 side2-1 「THINGS AIN’T WHAT THEY USED TO BE」 1975/10/25,27,30,31 11/192点 side2-2 「NANCY」 1975/10/25,27,30,31 11/193点 side3-1 「MANHA DE CARNIVAL」 1975/10/25,27,30,31 11/189点 side3-2 「HERE’S THAT RAINY DAY」 1975/10/25,27,30,31 11/196点 side4-1 「MY FUNNY VALENTINE」 1975/10/25,27,30,31 11/191点 side4-2 「TAKE FIVE」 1975/10/25,27,30,31 11/1「ウェンディ(1-1)」P.デスモンドのオリジナルです。E.ビッカートがギターで静かに始め、P.デスモンドの登場です。テーマを吹くアルト・サックスの美しい音は今日も変わりません。アドリブに入ると少し線を太くして、ジャズのスピリットを増して行きます。続くE.ビッカートのギター・ソロは落ち着いて、寛ぎを与えてくれます。D.トンプソンの短いベース・ソロの後P.デスモンドが吹くテーマに戻ります。この静かな寛ぎは、気品があり別格の90点です。「ウェイヴ(1-2)」A.C.ジョビンのオリジナルで、ボサ・ノヴァの名曲の一つです。P.デスモンドはこの曲でも良い寛ぎを与えてくれます。寛ぎとジャズ・スピリット、それに美しい音、言うことありません、「いいですねー」聴衆と一緒に「拍手!」です。E.ビッカートはここでも寛ぎのナイス・ソロです。D.トンプソンのベース・ソロの後P.デスモンドに戻り、そしてテーマです。気品があり別格の90点です。「シングズ・エイント・ホワット・ゼイ・ユースト・トゥー・ビー(2-1)」M.エリントンの曲で、ついついJ.ホッジスと較べたくなってしまいます。P.デスモンドは洗練され、凛とした佇まいで、いつもより中低音を鳴らしてグルーヴィーですらあります。D.トンプソンがウォーキング・ベースを聴かせた後、E.ビッカートのギター・ソロとD.トンプソンのベース・ソロになりますが、どちらも上品で良いです。P.デスモンドが再び現れ、直ぐにテーマになります。気品があり別格でちょっと浸りたい91点です。「ナンシー(2-2)」P.シルヴァーとJ.V.ヒューゼンの共作です。バラードを演りたがらなかったP.デスモンドが晩年になってやっとバラード演奏をしてくれます。嬉しい心境の変化です。E.ビッカートとD.トンプソンも落ち着きと寛ぎの素晴らしいソロで続きます。P.デスモンドが暫しソロをとり、やがてテーマに戻ります。長い間待っていたP.デスモンドのバラード・プレイは、気品があり別格でいつまでも浸っていたい92点です。「カーニヴァルの朝(黒いオルフェ)(3-1)」L.ボンファの当たり曲です。P.デスモンドは『PAUL DESMOND / TAKE TEN』の時よりも少しテンポを落とし、ゆったりと情感を湛えて吹きます。あの時には無かった寂しさを感じます。「いいですねー」続くギターのE.ビッカートは、あの時のJ.ホールと同等以上の素晴らしい出来映えで、その後のD.トンプソンも良いベース・ソロです。P.デスモンドが再度ソロをとり、気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨めようかなという気がよぎる93点です。「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ(3-2)」J.バークとJ.V.ヒューゼンの共作です。E.ビッカートとD.トンプソンが、まずこの曲らしい空間を作り、それからP.デスモンドの登場です。テーマを吹くことなくアドリブを始めますが、完全にバラード演奏の世界で、私は満足です。D.トンプソンとE.ビッカートも良いソロです。お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。「マイ・ファニー・ヴァレンタイン(4-1)」R.ロジャースとL.ハートの共作です。E.ビッカートの静かなイントロに続いて、P.デスモンドがしっとりとテーマを吹きます。C.ベイカーのトランペットとヴォーカルが心に沁みることは尤もですが、P.デスモンドのアルト・サックスも沁みて来ます。P.デスモンドはアドリブに入ってからもギターとベースとドラムの好サポートを得て、彼自身最高のバラード・プレイを行います。何故今まで演らなかった…。このまま逝ってしまうなんて…。今となってはこれしかありません、「拍手!」続くE.ビッカートとD.トンプソンも、しっかりと感動を繋ぎます。P.デスモンドが再度登場し、しっとりと聴かせてくれますが、こんなP.デスモンドに遭遇できることは奇跡的です。他人(ひと)に奨めたいほどで、少し感動的な96点です。「テイク・ファイヴ(4-2)」P.デスモンドのオリジナルです。ギターが例のリフで始め、P.デスモンドがあのテーマを吹きます。今日のP.デスモンドは中東風で通します。ベースのD.トンプソンも中東風を受け継ぎますが、一番太い弦とその他三本の弦を分業させ、とても創造的なソロとします。「拍手!」気品があり別格でちょっと浸りたい91点です。96点 side4-1 「MY FUNNY VALENTINE」 1975/10/25,27,30,31 11/1