1958年5月に行われたベニー・グッドマン楽団のヨーロッパ楽旅の後、アメリカの劇場で行われた演奏会のライヴ録音盤です。ですからメンバーはその楽旅の時と全く一緒です。全9曲中3曲はB.グッドマン・カルテットの演奏なので、ズート・シムズは含まれていません。また、ビッグ・バンド演奏の6曲中ズートのソロが出てくるのは4曲で、みな短いですが、ピシッと決めています。特に「BUGLE CALL RAG」のソロは圧巻です。ズートのソロが短くても納得が行くのは、このバンドが、軽く品よく猛烈にスイングしているからです。この時期のベニー・グッドマン楽団はお薦めです。なおこのレコードは“コンサート・ホール・ソサエティ”というレコード・クラブから発売されました。

(レコード・クラブから発売されたせいでしょうか、ジャケット写真もユーチューブ動画も見つけることができませんでした。こんなに良いレコードなのに惜しい…。)

 

BENNY GOODMAN(cl) JOHN FROSK(tp)  TAFT JORDAN(tp)  E.V.PERRY(tp)  BILLY HODGES(tp)  REX PEER(tb)  WILLIE DENNIS(tb) VERNON BROWN(tb) ERNIE MAURO(as)  AL BLOCK(as)  ZOOT SIMS(ts) SELDON POWELL(ts) GENE ALLEN(brs) ROLAND HANNA(p) BILLY BAUER(g) ARVELL SHAW(b) ROY BURNES(ds) 

 

91点  side1-1  「ONE O’CLOCK JUMP」              1958/

88点  side1-2  「BALKAN MIXED GRILL」         1958/

88点  side1-3  「AVALON」                                    1958/

89点  side1-4  「POOR BUTTERFLY」                  1958/

87点  side1-5  「YOU’RE DRIVING ME CRAZY」1958/

93点  side2-1  「BUGLE CALL RAG」                  1958/

88点  side2-2  「NEAN TO ME」                           1958/

91点  side2-3  「KING PORTER STOMP」           1958/

88点  side2-4  「SING, SING, SING」                   1958/

 

「ワン・オクロック・ジャンプ(1-1)」

C.ベイシーのオリジナルです。R.ハナ(p)が出てB.グッドマン(cl)、(tb)、(tp)、ズートと繋ぎ、その後テーマ、A.ショウ(b)、テーマと続きます。猛烈にスイングして各自のソロも良く、これはバンドの勝利と言いたくなります。気品があり別格でちょっと浸りたい91点です。

「バルカン・ミクスド・グリル(1-2)」

メロディーもリズムもバルカン風いやオスマン風とでも呼べば良いのでしょうか、そういうテーマで始まりますが、リズムを途中でフォー・ビートに変える処がスリリングです。ドラムのR.バーンズは、スネアドラムを縁もろとも叩くあの奏法で見事に決めてくれます。この人はビッグ・バンドにピッタリの人ですね。B.グッドマン(cl)とR.バーンズ(ds)が活躍し、ズートの出番はありません。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。

「アヴァロン(1-3)」

V.ローズの曲です。ここからはB.グッドマン・カルテットの演奏で、ズートは出てきません。B.グッドマン(cl)とR.ハナ(p)のソロが聴かれますが、上品で上質なスイング・ジャズに仕上げています。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。

「プア・バタフライ(1-4)」

L.ハベルの曲で、カルテットによるバラード演奏となります。B.グッドマンはバラードも上手で、ここもドリーミーに聴かせてくれます。R.ハナ(p)はアルバム全体を通してですが、フレッシュで素敵な演奏をしています。お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。

「ユーアー・ドライヴィング・ミー・クレイジー(1-5)」

W.ドナルドソンの曲です。R.ハナ(p)が可愛らしく出て、テーマの後のソロも見事にこなします。この当時は新鋭だったと思いますが、“絶頂期“と呼びたくなるような素晴らしさです。R.バーンズ(ds)とB.グッドマンのインタープレイもなかなかです。お洒落で格好いい87点です。

「ビューグル・コール・ラグ(2-1)」

J.ペティス、B.メイヤーズ、E.ショーベルの共作です。この曲を今日もハイテンポで猛烈元気に演ってくれます。(tp)合奏(cl)合奏(tb)合奏と面白い形でテーマが現れます。ソロのトップを切るのはズートですが、タンギングを巧く用いて最初からハイテンションで飛ばします。その後(tp)、(tb)、(cl)と続きますが、熱量を下げることはありません。トップバッターの熱量が受け継がれました。短い演奏ですが、聴いて十分満足が行き、気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨めようかなという気がよぎる93点です。

「ミーン・トゥー・ミー(2-2)」

R.タークの曲で、少しシットリします。テーマ部のサビをズートが演り、ソロはG.アレン(brs)です。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。

「キング・ポーター・ストンプ(2-3)」

J.R.モートンのオリジナルです。(tp)がテーマをリードし、ソロはB.グッドマン(cl)、(tp)、(tb)です。ズートのソロはありませんが、スイング感がもの凄く、気品があり別格でちょっと浸りたい91点です。

「シング・シング・シング(2-4)」

L.プリマの曲です。例によってドラムソロと合奏を交互にやって一旦曲を終え(拍手まで入ります)、長い後半戦へ移ります。ソロのトップはズート、何かよく考えているなあと感じるソロです。次いで(tp)、ハリー・ジェイムスを意識しているなあと感じます。次はB.グッドマン(cl)、この人は変わりませんね。最後にR.バーンズ(ds)が長いソロをとり、そしてテーマとなります。軽快に走るスポーツカーのようなシング・シング・シングは、お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。因みに1938年カーネギーホールのシング・シング・シングは重厚な戦車のようでした。ハリー・ジェイムスとジェス・ステイシーがともに一世一代のソロをしましたし、それはもう凄かった…。他人(人)に奨めたいほどで、感動の極みに限りなく近い99点でした。