パリのアメリカ文化センターで録られたライヴ録音盤です。マルのパッションが強烈に表現されており、この時期のマルを代表するようなアルバムだと思います。パトリス・カラティーニの野太いベースがマルに寄り添っている処も中々良いです。

 

MAL WALDRON(p) PATRICE CARATINI(b)  GUY HAYAT(ds)

 

87点  side1-1  「DOWN AT THE GILL’S」1970/5/12

88点  side1-2  「MY FUNNY VALENTINE」1970/5/12

91点  side2-1  「LA PETITE AFRICAINE」1970/5/12

88点  side2-2  「BLOOD AND GUTS」   1970/5/12

 

「ダウン・アット・ザ・ギルズ(1-1)」

M.ウォルドロンのオリジナルです。マルは左手と右手の守備範囲を明確にしますが、それはテーマ部でもソロ・パートでもです。いつものやり方です。マルのピアノで高揚した後P.カラティーニ(b)とG.ハヤット(ds)に活躍の場が移されます。お洒落で格好いい87点です。

「マイ・ファニー・ヴァレンタイン(1-2)」

R.ロジャースの曲です。マルは中低音でスタートし、P.カラティーニ(b)は低音弦をアルコで鳴らしてマルに応えます。この曲ではP.カラティーニ(b)の健闘が目立ちます。ソロ・パートに入るとマルの右手は凹凸があるマル独自のペーソスを醸し出します。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。

「ラ・プチット・アフリケン(2-1)」

M.ウォルドロンのオリジナルです。テーマ部はベースとピアノが低域からスタートし、直ぐに右手が高音で被さって来ます。ソロ・パートになるとリズミックになり“マル繰り返しの呪術”が威力を存分に発揮して、次第に興奮状態へと導かれます。やがてその潮が引き、P.カラティーニ(b)のソロ、マルの再登場、G.ハヤット(ds)のソロと続き、テーマに戻ります。気品があり別格でちょっと浸りたい91点です。約半年前にダラー・ブランドが『アフリカン・ピアノ』を吹き込んでいますが、マルはそれを聴くチャンスがあったのでしょうか?

「ブラッド・アンド・ガッツ(2-2)」

M.ウォルドロンのオリジナルです。この曲はいきなりのハンマー打鍵から始まります。ソロでは低音鍵盤上のグルグル回りがあり、中音鍵盤上の変化と繰り返しがあり、マルの情熱がひしひしと伝わって来ます。P.カラティーニ(b)がソロをとりますが、ソロの後半ではバックのマルがグングンと迫って来ます。最後にG.ハヤット(ds)のソロがあり、テーマへ戻ります。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。

 

87点  side1-1  「DOWN AT THE GILL’S」1970/5/12

 

88点  side1-2  「MY FUNNY VALENTINE」1970/5/12

 

91点  side2-1  「LA PETITE AFRICAINE」1970/5/12

 

88点  side2-2  「BLOOD AND GUTS」   1970/5/12