マル・ウォルドロンがひょっこりと一人来日した折に作られたアルバムで、side-1は日本の印象を綴ったオリジナル、side-2はそれ以前に創られたマルのオリジナルで、ソロ・ピアノになります。重くて激しいピアノですが、『オール・アローン』のように死にたくなるような深さではありません。
MAL WALDRON(p)
87点 side1-1 「TOKYO DAY TIME」 1970/2/7
88点 side1-2 「A TOUCH OF TOKYO」1970/2/7
89点 side1-3 「SAYONARA」 1970/2/7
87点 side1-4 「THE BRAVE SAMURAI」1970/2/7
90点 side2-1 「HALLELUYA」 1970/2/7
87点 side2-2 「SOUL IN SERCH」 1970/2/7
87点 side2-3 「VARIATION OF A THEME」1970/2/7
88点 side2-4 「BLOOD AND GUTS」 1970/2/7
「トーキョー・デイ・タイム(1-1)」
東洋的で可愛らし気な前奏から始まり、左手は低音鍵盤から2種類のリフを繰り出し、右手はリフを次々と変形して行きます。何か慌ただしい感じがします。お洒落で格好いい87点です。
「ア・タッチ・オヴ・トーキョー(1-2)」
嫋やかでたよりなげな少女のイメージで始まり、やがて健気で強くちゃきちゃきとした大人の女性になります。次いではコンクリートと無機質な都会の様になり、最後嫋やかさに戻ります。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。
「サヨナラ(1-3)」
低音鍵盤が哀しげに叩かれる中、高音鍵盤が悲しいメロディーを綴ります。お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。
「ザ・ブレイヴ・サムライ(1-4)」
ガーンガーンと重厚に出た後、剣道の足さばきを思わせる動きを見せます。お洒落で格好いい87点です。
「ハレルヤ(2-1)」
『オール・アローン』のアルバムに在った左手の動きで始まり、右手も含めて全体的に『オール・アローン』の雰囲気です。マルとしてはこちらの方がA面よりも自然です。左手と右手がデュオを演っているようで、気品があり別格の90点です。
「ソウル・イン・サーチ(2-2)」
どんどんドーンと低音弦が鳴るなかを右手が踊りまわり、低音弦がダッターンダッターンに変わっても右手は変化と繰り返しの妙を見せ続けます。お洒落で格好いい87点です。
「ヴァリエーション・オヴ・ア・シーム(2-3)」
両手で始め、直ぐに左手と右手に分化します。ちょっと二声のピアノ曲をデフォルメしたように感じました。お洒落で格好いい87点です。
「ブラッド・アンド・ガッツ(2-4)」
重厚さと激しさ、それに渦巻く情念が全篇を貫き、最後は将にハンマーを打ちつけて終わります。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。