マル・ウォルドロン名義で行われた、プレスティッジのスタジオ・セッションで、1957/4/19 , 1957/9/20のものが2曲ずつ収められています。A面の2曲は『MAL-2』のうち1957/4/19に録られた別の曲、B面の2曲は『WHEELIN’ & DEALIN’』の別テイクです。「DEALIN’ #1」が別テイクとは言えいつまでも浸っていたい素晴らしいブルースです。又マルのピアノに特別に熱が入った「WHEELIN’ #1」も聴きものです。
1957/4/19 (1-1,2)
BILL HARDMAN(tp) JACKIE McLEAN(as) JOHN COLTRANE(ts) MAL WALDRON(p) JULIAN EUELL(b) ART TAYLOR(ds)
1957/9/20 (2-1,2)
JOHN COLTRANE(ts) PAUL QUINICHETTE(ts) FRANK WESS(ts,fl) MAL WALDRON(p) DOUG WATKINS(b) ART TAYLOR(ds)
86点 side1-1 「BLUE CALYPSO」 1957/4/19
85点 side1-2 「FALLING IN LOVE WITH LOVE」 1957/4/19
92点 side2-1 「DEALIN’ #1」 1957/9/20
87点 side2-2 「WHEELIN’ #1」 1957/9/20
「ブルー・エクリプソ(1-1)」
M.ウォルドロンのオリジナルです。マルがカリプソのリズムで始めます。A.テイラー(ds)の短いソロを経てコルトレーンのソロになりますが(コルトレーンが充実してきました)、ここからはエイト・ビート、カリプソ、エイト・ビートと交互に演ります。B.ハードマン(tp)、J.マクリーン(as)、M.ウォルドロン、A.テイラー(ds)とソロを繋げてテーマに戻ります。ちょっといい86点です。
「フォーリング・イン・ラヴ・ウィズ・ラヴ(1-2)」
R.ロジャースの曲です。B.ハードマン(tp)がテーマをリードし、ソロもB.ハードマン(tp)からです。以下J.マクリーン(as)、J.コルトレーン(ts)、M.ウォルドロン、フロント陣の小節交換と続き、テーマに戻ります。J.コルトレーンはシーツ・オヴ・サウンズの前ですが他を圧倒し、マルはそれに次ぐ良いソロを聴かせます。ちゃんとしたジャズで再聴下限の85点です。
「ディーリン・テイク1(2-1)」
M.ウォルドロンのオリジナルです。大好きなマイナー・ブルースです。D.ワトキンスの野太いベースが全体を引き締め、それに乗ってM.ウォルドロン、F.ウエス(fl)、P.キニシェット(ts)、J.コルトレーン(ts)、F.ウエス(ts)、M.ウォルドロンがソロを繰り広げます。其々が持ち味を発揮しますが、ブルースということもありP.キニシェットの粘りが一番です。マルは繰り返しとモールス信号をブルースに載せてマルのブルースを聴かせます。気品があり別格でいつまでも浸っていたい92点です。
「ホイーリン・テイク1(2-2)」
M.ウォルドロンのオリジナルです。三本のテナー・サックスがテーマを奏し、ソロはJ.コルトレーン(ts)から。以下P.キニシェット(ts)F.ウエス(ts)と続き、この順番で五順します。その後マルのソロになりますが、マルは次第に盛り上がりを見せるなかなか聴きもののソロを披露してくれます。しかし熱が入りすぎたせいかテンポはどんどん速くなります。マルは冷静そうに見えるだけに面白いですね。その後A.テイラーの短いドラム・ソロがありテーマに戻ります。お洒落で格好いい87点です。
86点 side1-1 「BLUE CALYPSO」 1957/4/19
85点 side1-2 「FALLING IN LOVE WITH LOVE」 1957/4/19
92点 side2-1 「DEALIN’ #1」 1957/9/20
87点 side2-2 「WHEELIN’ #1」 1957/9/20